あの「IQOS(アイコス)」のフィリップモリスジャパンと、岩手県平泉町が包括協定を締結しました。
今回の締結は、フィリップモリスと町1つ丸々が包括協定を締結したことを意味しており、非常に大きな取り組みであるといえます。
- 紙巻たばこの煙から非喫煙者と加熱式たばこユーザーの受動喫煙を防ぎ、火災リスクも低減させる。
- 町民・観光客ともによりクリーンで快適・安全に過ごせる、持続可能な地域社会の形成を目指す。
この2つを目的としたプロジェクトを始動するそうです。
また今回の取り組みの非常に面白いところが、紙巻たばこの煙から、非喫煙者だけでなく加熱式たばこユーザーも守るという発想だとも思います。詳細にどのような取り組みを行っていくのか見ていきましょう。
「煙のない社会」の実現を目指して
フィリップ モリス ジャパン合同会社(社長:シェリー・ゴー、以下、PMJ)は、岩手県平泉町(町長:青木幸保、以下、平泉町)と「たばこの煙のない平泉町を目指す」プロジェクトの包括協定を締結し、2021年7月1日(木)より新しい喫煙環境整備の第一歩を踏み出すことを決定しました。
このプロジェクトは、町内各所に設置されている紙巻たばこの喫煙所を、火を使わない加熱式たばこ専用エリアへと順次切替えていくことで、紙巻たばこの煙から非喫煙者と加熱式たばこユーザーの受動喫煙を防ぐとともに、文化財や住宅を火災リスクから守り、町民・観光客ともによりクリーンで安全に過ごせる環境づくりを目指すとのこと。
昨年4月に改正健康増進法が施行されるなど、紙巻たばこの喫煙をめぐる様々な課題解決への機運が高まる中で、PMJは、企業ビジョンである「煙のない社会」の実現を通じて社会的責任を果たしたいと考えています。自治体や組織の課題解決をサポートする取組みとして、地域を代表する観光地やリゾート、商業施設などに加熱式たばこ専用室・エリアを導入する「煙のないランドマーク」を広げる活動に取組んでいます。
世界遺産を煙から守る
PMJは「煙のない社会」実現のため、地域を代表する観光地などと協力し、喫煙課題を解決するための支援を行っているという。
この中で、加熱式たばこ専用エリア導入をはじめ、紙巻たばこの煙による非喫煙者ならびに加熱式たばこユーザーの望まない受動喫煙を防ぐための環境づくりを支援する取組みを全国で推進。
2021年6月29日に世界遺産登録から10周年という節目を迎える平泉において、代表的な史跡である中尊寺・毛越寺の加熱式たばこ専用エリア設置による喫煙環境整備することで、平安期から継承されてきた歴史的遺産を尊重し、新しい喫煙環境整備による進化を目指すプロジェクトを平泉町と進めていくこととなったそう。
3つの取り組み
今回の包括協定で合意し、実施される取組みはいくつかあるそうですが、大きく3つの取り組みを行っていくといいます。
①加熱式たばこ専用エリアの整備
平泉町における著名な施設等で望まない受動喫煙を防止する観点から、燃焼を伴い副流煙のでる紙巻たばこの喫煙環境を最小化し、特に公共性の高い一定のエリア内を加熱式たばこ専用エリアに整備する。
②加熱式たばこのみ利用可能ルールに
「中尊寺」「毛越寺」の来場者による喫煙は、事前に合意した加熱式たばこ専用エリア(3か所)における加熱式たばこのみとし、来場者による紙巻たばこ等燃焼を伴うたばこの喫煙場所は、事前に合意した本施設敷地外に設置する専用喫煙所(2か所)のみとする。
③喫煙所を段階的に削減
今回の取組みを起点とし、平泉町内の他の公共のエリアにおける喫煙所を段階的に削減、又は喫煙所を加熱式たばこ専用エリアに再整備し、望まない受動喫煙を減らす取組みを段階的に実施する。
さらに、「煙のない平泉町」を目指し、中尊寺、毛越寺をはじめとする史跡だけではなく、喫煙所を擁する町内コンビニエンスストア3店舗における喫煙所撤去や加熱式たばこ専用エリア整備、JR平泉駅での喫煙所撤去など、様々な取組みを平泉町とともに官民協働で推進していくといいます。
なお、2021年7月1日現在、PMJがパートナーシップを組む「煙のないランドマーク(以下、ランドマーク)」は全国で合計13件を数える。また、PMJのサポートを通じて国ならびに各自治体の基準を満たす加熱式たばこ専用室を導入した飲食関連施設は全国で合計2,300件に上ります。
代表者からのコメント
平泉町町長 青木幸保氏のコメント
「世界遺産平泉の理念は、生きとし生けるものすべての共生と平等です。その象徴は、中尊寺や毛越寺に象徴される寺院群といえます。そしてこれらは、800年以上の長きにわたって、先人たちが守り伝えてきたものです。現代に生きる私たちには、世界遺産として顕彰された平泉町をより良い状態で未来に伝えていく責務があります。平安時代に戻ることはできませんが、和風建築を増やすなど環境の整備に、官民を挙げて取組んで参りました。PMJとの包括協定の締結によって平泉町は、さらに輝きを増すものと感じております」
PMJ社長 シェリー・ゴー氏のコメント
「PMJが手がける<煙のない>ランドマークの取組みにおいて、町全体との包括協定締結は、今回の平泉町が初めてで、日本全体で<煙のない社会>実現するために邁進しているPMJにとって、非常に大きな前進です。国宝建造物第1号と認定された『中尊寺金色堂』をはじめ、数々の歴史的建造物を有す世界遺産平泉が、より安全でクリーンな町へと生まれ変わる一助となれたことを光栄に存じます。町民の皆さま、そしてご来訪いただくすべての方々に、これまで以上に安全でクリーンな環境をご体感いただき、この取組みが全国へと広がっていくことを願っています」
たばこの煙からの脱却が進む
今回はじめて、フィリップモリスと町1つ丸々という巨大な組織が協定を結びました。これはフィリップモリス…というよりも、「IQOS」にとって非常に大きな一歩で、より一層の認知度・シェア・影響力の拡大を行っていくことが考えられます。
この協定により、喫煙所がほぼほぼ「加熱式たばこ専用喫煙所」となりましたが、紙巻たばこの煙を圧倒的に”悪”とし、加熱式たばこユーザーさえも守ろうという発想は、思い切った考え方だなと思いましたが、個人的にはこの考え方に賛同します。
一度加熱式たばこに切り替えたユーザーならわかることですが、やはり紙巻きたばこの燃焼することにより発生する煙は、クサイし副流煙には有害性が多く認められているためとても嫌です。加熱式たばこユーザーでさえ、紙巻きたばこの煙が嫌になるのです。
一方、加熱式たばこは火を用いないため水蒸気しか発生せず、非常にクリーンな次世代のたばこといえます。町全体がこのような新しい存在へと切り替えていくという取り組みは非常に良いものだと感じました。
加熱式たばこユーザーは、岩手県平泉町に行く際にはこの加熱式たばこ専用喫煙所に立ち寄ってみるのも良いかもしれません。