新型コロナウィルスの影響が拡大しています。先週末には東京都などで不要不急の外出の自粛要請が出て、さらに本日、俳優でタレントの志村けんさんがこのコロナウィルスに感染し、闘病の末亡くなったとの報道がありました。
大変悲しいニュースです。これらニュースを受けて、更に不安が増しているという方も増えているかと思います。
今回取り上げるのは”喫煙”と”新型コロナ”の関係性です。「喫煙者だとコロナウィルスにかかりやすいのでは」もしくは「喫煙者だと症状が重症化しやすいのでは」といった声があがっています。
これらの事実はどうなのか。電子タバコでも、加熱式たばこでも、紙巻きたばこでも、喫煙者であればしっかりとそのリスクを把握するべきです。コロナウイルスと喫煙に関しては、WHOはじめ各公的機関が発表を行っています。それら内容をこの機会にしっかりと確認しましょう。
WHOの喫煙とコロナウイルスに関する発表
WHO事務局長は以下のように発表しています。
喫煙しないでください。COVID-19に感染すると、喫煙により重症化のリスクが高まります。
以下原文より一部引用。
最初に、あなたの免疫システムが適切に機能するのを助ける健康で栄養価の高い食事をしてください。
第二に、あなたのアルコール消費を制限し、甘い飲み物を避けてください。
第三に、喫煙しないでください。COVID-19に感染すると、喫煙により重症化のリスクが高まります。
第四に、運動。WHOは、大人には30分の運動、子供には1日1時間の運動を推奨しています。
First, eat a health and nutritious diet, which helps your immune system to function properly.
Second, limit your alcohol consumption, and avoid sugary drinks.
Third, don’t smoke. Smoking can increase your risk of developing severe disease if you become infected with COVID-19.
Fourth, exercise. WHO recommends 30 minutes of physical activity a say for adults, and one hour a day for children.
原文:WHO Director-General’s opening remarks at the media briefing on COVID-19 – 20 March 2020
喫煙と新型コロナウイルスに関するQ&A
たばこを吸っている喫煙者は、新型コロナウイルスの感染リスクが高いですか?という質疑応答について、WHOでは以下の回答をしています。
喫煙行為は指(および汚染された可能性のあるタバコ)が唇に接触し、ウイルスが手から口に伝染する可能性が高まるため、喫煙者はCOVID-19(≒ 新型コロナウイルス)に対してより脆弱になります。喫煙者は、すでに肺疾患を患っているか、肺容量が低下している可能性があり、深刻な病気のリスクを大幅に増加させます。
酸素の必要量が増加したり、体がそれを適切に使用する能力が低下した状態では、肺炎などの深刻な肺疾患のリスクが高くなります。
喫煙行為は、肺炎などの申告な肺疾患のリスクを高めます。今回の新型コロナウイルスは、”肺炎”がメインになっているもの。喫煙は新型コロナウイルスの感染リスクを高める可能性があるとのことです。
東京都医師会からの四つのお願い
東京都医師会も、新型コロナウイルスとたばこの喫煙について発表を行っています。
喫煙者の方は、重症化率2.2倍死亡率3.2倍との報告があります。4月からは受動喫煙防止条例も全面施行となります。
非喫煙者のためではなく、ご自身の身を守るためにもこの機会にぜひ禁煙を考えてください。
以下の4つのお願いを、東京都医師会は公式に発表しています。
- 無理せず休んでください。
- 新型コロナが心配な方。まず電話で相談を、まず電話です。
- 喫煙者はこの機会にぜひ禁煙を。
- 新型コロナ対策による要介護高齢者等への 2 次被害を考えてください。
その中の一つとして、喫煙についての内容がありました。受動喫煙防止条例も全面施行される中での禁煙を促進しています。
電子たばこ・薬物使用も新型コロナ感染症のリスクを高める可能性
また、「喫煙」といえど昨今では「紙巻きたばこ」だけでなく、VAPEなどの「電子タバコ」やIQOSなどの「加熱式たばこ」も普及されています。
この電子タバコについても、アメリカにて新型コロナウイルスとの関係性が発表されました。
米国立薬物乱用研究所(NIDA)のノラ・ボルコフ所長はこのほど、喫煙者や電子たばこの利用者、薬物乱用者について、新型コロナウイルス感染症に対して特に脆弱(ぜいじゃく)な可能性があるとの見解を示した。
やはり、新型コロナウイルスは肺疾患となるもののため、電子たばこ使用者にとっても驚異になる可能性があるという発表をしています。
喫煙・電子たばこ・薬物使用、新型コロナ感染症のリスク高める可能性
状況証拠が多いもので、明確な研究論文はまだ
ここまでWHOはじめ、医療機関などが発表した喫煙と新型コロナとの関係性を見てきました。念の為の記載ですが、これらの指摘の多くは状況証拠と推察で、明確な研究結果などが出ている状態ではありません。
しかし、たばこが肺の病気を引き起こすことは、喫煙者だけでなくとも知っている方が多いと思います。
タバコが肺の病気を引き起こすことは、よく知られています。そのうちの1つ、肺炎は細菌やウイルスが体内に入りこんで、肺に炎症を起こします。肺炎になると、発熱、咳や痰、胸の痛みなどが続き、悪化すると健康寿命を損なうことにもつながります。
今回の新型コロナウイルスは肺炎に侵されるものです。志村けんさんも、新型コロナ感染のため肺炎が発症しました。
しっかりと予防対策を
厚生労働省も、咳エチケットや手洗いなどの実施がとても重要で、感染症対策に努めるように要望を出しています。
また小池知事も記者会見で発表していた、3つの密を避けることが求められています。
- 換気の悪い密閉空間
- 多数が集まる密集場所
- 間近で会話や発声をする密接場面
これらを避けつつ、電子たばこを含む喫煙に関しても、利用する場合はしっかりとリスクがあることを自覚した上で利用し、体調不良などがある場合はなるべく利用を避けるようにするべきでしょう。