全面禁煙にまつわるニュースが話題です。「2020年に向けて全面禁煙を策定しよう!」と法案の策定が進んでいますが、その進み具合はあっちへ行ったりこっちへ行ったり、正直どうなっているの?と思う所。
いつからなのか?アイコス・グロー・プルームテックなど加熱式タバコはどうなっちゃうの?この記事では、全面禁煙法案についてまとめています。なお、この記事は常時更新していきます。
全面禁煙、話の出処は2020年東京オリンピック・パラリンピック
あらためてですが、なぜ、全面禁煙という法案制定が進んでいるのでしょうか?その出処は実はこんなところです。
平成27年11月に閣議決定した方針があります。それは、
「2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会の準備及び運営に関する施策の推進を図る為の基本方針」
という大変長々しい名で、オリンピックに関する項目がまとまっているものです。その項目の中で
受動喫煙対策を強化する
と宣言されているのです。ここが出処で、
「受動喫煙を防止しよう」
「では全面禁煙だー!」
と話が進んできたわけです。
ただそれだけ聞くと、なぜオリンピックから急にそんな!?となるので、全面禁煙に話しが至る理由を探っていきます。
なぜ全面禁煙?大きな3つの理由
そもそも、なぜこのような「全面禁煙」を進めなければならなかったかというと、理由としては3つあります。
- 世界的条約の影響
- 受動喫煙対策が他国との比較で遅れている
- たばこのないオリンピック
【1】世界的条約の影響
平成17年2月に発効した「たばこ規制に関する世界保健機関枠組条約」という世界的な条約があります。締約国である日本はそれをを強く推進する必要があるのです。
【2】受動喫煙対策が他国との比較で遅れている
日本は他の所外国と比較すると、「受動喫煙の対策が遅れている」と言われています。そこから例えばこんな声が出ています。
- 換気の実施、喫煙場所の設置では受動禁煙対策としては不充分、100%禁煙対策が完全禁煙しかない
- たばこの被害の保護を目的とした、法整備、罰則規定を設けるべき
【3】たばこのないオリンピックを目指す
2010年に、IOCとWHOとの合意で「たばこのないオリンピック」を共同で推進するということが決定します。この合意をしっかりと推進する必要があるのです。
これらざっくり大きな3つの理由によって、「全面禁煙だー!」という声が高まり、法案実施を考慮する段階まで至ったわけです。
ここで、そもそものタバコの影響と、では他国ってどうしてるん?を見ていきましょう。
タバコの影響と、禁煙状況を日本と他国で比較
タバコの害ついては当サイト『アイコスさん』でも多くを語ってきました。
一般的に紙巻きタバコは、喫煙者が吸っている「主流煙」よりも、火のついている部分から立ち上る「副流煙」の方が、ニコチンやタールの含有量が多く、肺がんや脳卒中、心筋梗塞、幼児突然死症候群(SIDS)のリスクが高いとされています。
その大きなリスクに対して、2014年時点で、公共の場所全面禁煙とする法律を施行している国は実は49カ国もあります。
現在日本の禁煙に対する法定な施行については、平成15年5月の健康増進法の中の第25条にありますが、あくまでも努力規定とされています。
そして、平成27年6月の労働安全衛生法で改正された、第68条2、第71条についても、努力規定となっています。
つまり、現在の日本での禁煙対策で法的な罰則などについては、しっかりと言及されていないのです(地域ごとの条例などは存在します)。
そして、話はオリンピックに戻りますが、2010年以降のオリンピックの開催国では全面禁煙が主流とされており、また罰則規定なども国で定められていました。
そういった背景を考慮すると、今回の東京オリンピックについても、世界的なレベルを目標として、屋内施設での全面禁煙と罰則規定を強化し、日本も世界と同じ位厳しい基準で受動喫煙には取り組んでいることをアピールしたいといった思いがあると見られています。
参考文献
全面禁煙対策の猛反発!?小規模の飲食店に大打撃
ここまで全面禁煙について、その生い立ちと日本の喫煙事情の海外比較を見てきました。
これらの情報を見ると、全面禁煙を制定したがる日本政府の気持ちもわかります。
ただし、そう簡単に物事が進むわけはありませんでした。この全面禁煙対策に多くの批判が寄せられもしています。
2020年東京オリンピック・パラリンピックが開催される為に「原則建物内全面禁煙」という法案が通りそうなわけです。つまり、違反した場合、罰則としての過料が設けられる程のものです。
その施策内容は、喫煙を店内で行っても良いとしたい場合は、わざわざ喫煙の為の喫煙部屋を別途設ける必要があるのです。しかしそんなことは小さな店では物理的にまた経費的に負担が大きく、営業維持が難しくなるでしょう。
現在、受動喫煙対策に積極的な兵庫県の対応については、100平方メートル以下の飲食店につては、県政策の「時間分煙」、「喫煙」のステッカーを天外に貼ることで、店内喫煙は可能なのですが、国の制度として決定すると店内喫煙は難しいくなるとの見方が強いです。
こういったことから小規模の飲食店などから多くの反対意見が寄せられています。
小規模店舗でもなんとかなるような施策に?
飲食店などからの猛反発を受けて、厚生労働省は国会提出予定の健康増進法の改正案として、次の2項目に該当する店舗ついては禁煙法の例外として検討しているようです。
- 30平方メートル以下の酒類を提供する小規模店
- 上記の店舗に加え、小規模の居酒屋・焼き鳥屋・おでん屋
これは該当店舗からしたら嬉しい限り。
しかし、居酒屋でも家族連れの場合もあるので慎重に議論するとしています。
また、飲食店以外の喫煙についての規制について例外規定として
- 精神病院や終末期の患者がいる緩和ケア病棟での屋外喫煙
についても例外検討をしています。
理由としては患者のストレスを和らげるようにと病院側の要求によるものがある為だそうです。
国としては、禁煙を世界レベルの基準としたいといった考えもある一方、こういった人達の意見も無視できない為どういた調整をされるのか様子見といったところでしょう。
参考記事
加熱式タバコ・アイコスはどうなる?やっぱりタバコと同じ?
ここまで、オリンピックが発祥となり全面禁煙法案が持ち出されたこと、その理由と現在の策定状況などを見てきました。
では、ここからはアイコスやプルームテック、グローなど、新型の加熱式タバコがどうなるのか?を見ていきましょう。
以前から当サイトではアイコスなどの加熱式タバコがどうなるのかウォッチしています。2017年2月の段階では、「全面禁煙対象外として検討」という発言を、厚生労働大臣が行っています。しかし、その後どうやら雲行きが怪しくなってきました・・。
あらためて、アイコスは平成25年8月より一部地域で製品販売が開始されました。その後のアイコスなどの対応状況は、実際問題まだ決着はついていないというのが現状。政府としては禁止に動きつつも、各メーカーはそんなことない。と意見を述べあっています。
政府の見方
まずはじめに政府はどのように加熱式タバコを見ているのでしょうか。
アイコスなどの無煙タバコについての健康の影響について、日本学術会議によって公表されており、「無煙タバコについてもタバコと同様に健康に被害がある」という見方が、厚生労働省のホームページにも紹介されています。
なので、たばこの影響が少ないものであってもタバコと同じ扱いになる為、全面禁煙の場合は吸う事はできない。というのが当面の予想です。
- 公共施設
- 公共交通機関
などが全面禁煙の施設となります。
また屋内の施設(飲食店など)については、禁煙室がある場合は可能といったものになります。(分煙室があってもダメといったことになるようです)
加熱式タバコメーカーの見方
具体的にアイコス(IQOS)、プルームテック(RloomTHCE)については、販売元であるフィリップモリスジャパン(アイコス販売メーカー)、日本たばこ産業(JT・プルームテック販売メーカー)は有害物質が従来のタバコより大幅カット出来き、また煙も出にくい為健康被害については少ないと説明されています。
また、JTは厚生労働省のたばこ政策については、行き過ぎの対応であるといった事を意見書として提出されています。
こういった、たばこ産業のメーカー側の意見の調整を行って、全面禁煙についてどういったものになるのか今後の焦点となりそうす。
また、2017年4月にはフィリップモリスインターナショナル(PMI)が、独自の臨床研究結果を発表。「紙巻きタバコからアイコスに切り替えたら禁煙と同程度の効果が一部得られる」というという旨の発表もしています。
加熱式タバコも受動喫煙防止法の対象に
2018年最新の厚労省の発表で、加熱式タバコも禁煙法の対象となることが明らかになりました。
他人のたばこの煙を吸い込む受動喫煙対策について、厚生労働省は30日、今国会に提出予定の健康増進法改正案の原案を公表した。加熱式たばこを規制対象に盛り込み、飲食店は原則全面禁煙とするが、喫煙室の設置を認める。喫煙室の新設など施設によって必要な準備期間が異なることから、東京五輪・パラリンピックまでに段階的に施行するとしている。
加熱式タバコは対象外・・という発表があっただけに様々な反響があった発表でした。
ただ、どうやら加熱式タバコ専用喫煙室の設置は認めるそうなので、今後「加熱式タバコはOKで紙巻たばこはNG」という感じのお店は増えていきそうです。新しい時代の到来ですね。
受動喫煙が問題?喫煙スペースとして該当しないコンビニ前の灰皿が消える!?
このように受動喫煙防止の運動が広がっている中、その影響として、コンビニエンスストアの前にある灰皿についても議論が行われ始めています。
コンビニの灰皿って何のためにあったか知っていました?実は、
コンビニ店舗に入る前にたばこの火を消す
ために設置されていました。しかし、当然そのような使い方よりもたまり場になっていたり、近隣住民から受動喫煙を理由に訴訟問題も発生しています。こういった理由によって、コンビの灰皿についても無くなってしまう可能性が高くなってきました。
実際に、平成27年5月には医師や看護師らの約4千人が加入する日本禁煙学会はコンビニ店舗に対して、コンビニ前の灰皿撤去を求める要望を発表。
最近コンビニでは灰皿のない店舗も増えてきています。たばこを吸う人にとっては、「町中で吸える所は少なくなった。コンビニ前に灰皿があると思っていてなかったらガッカリする。」といった声もあります。
コンビニの主張する歩きたばこ入店を抑止する為の灰皿ですが、あまり周知されていないところがあります。灰皿撤去の要求などもあり、コンビニ前から灰皿の姿が完全に消えるのもそんなに遠い将来ではないのかもしれません。
WHOが日本を視察!完全禁煙へ更なる一歩?
そしてまさに最新の情報ですが、2017年4月7日、世界保健機構(WHO)のアサモア・バー事務局次長が日本に来日し、厚生労働省で塩崎恭久大臣とこの禁煙法について話し合いを行いました。
バー次長らはここで、たばこの影響に関する調査報告書や手紙を渡して、東京オリンピック・パラリンピックに向けて、屋内禁煙の徹底を強く求めたようです。
ここでWHOのダグラス・ベッチャー生活習慣病予防部長は、「部分的禁煙は効果がなく、受動喫煙を防ぐことはできない」とスペインでの分煙制度を例に挙げて主張。更に、「全面禁煙にしたアメリカや南アフリカなどではレストランの売上減少はなかった」などと述べて、経済的な悪影響も少ないことを強調しました。
日本政府としては、屋内全面禁煙としつつも分煙室を設けられればOKなどの例外措置をいくつも考案していますが、果たして、結果はどうなるのでしょうか?
国内外の政府団体、飲食店、そしてタバコメーカーなど、多くの利権者が絡むこの問題。2020年までにどのような結果にが下されるのか、引き続き見守っていきます。
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