IQOSのフィリップモリスが無煙たばこ会社を2兆円で買収!たばこの無煙化が進むか

フィリップモリスインターナショナル(PMI)が、スウェーデンの無煙たばこ会社「スウェディッシュ・マッチ」を160億ドル(約2兆900億円)で買収することで合意しました。

PMIは11日に、急成長している加熱式たばこを含む、紙巻たばこの代替市場への投資として、ストックホルムを拠点とするグループに1株あたり106クラウン、1,612億クラウン(160億ドル)の現金オファーを行っていると発表しました。これに対し、無煙たばこメーカーの「スウェディッシュマッチ」の取締役会はこの提案を受け入れるように株主に推奨しています。

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「スヌース」という嗅ぎたばこメーカーをフィリップモリスが買収

今回フィリップモリスに買収対象となっているスウェーデンの会社は、「スヌース」と呼ばれるいわゆる「嗅ぎたばこ」(最近では「無煙たばこ」とも呼ばれる)の製造販売で利益を得ている会社です。

この嗅ぎたばこは、専用のニコチンポーチを唇と歯茎の間に入れてニコチンを摂取するもので、日本ではJTから「SNUS」や、BATから「VELO」が発売されていますが、まだそこまで注目を浴びていません。

JTから発売されている「SNUS」

JTから発売されている「SNUS」

BATから発売されている「VELO」

BATから発売されている「VELO」

一方、米国やスカンジナビアなどでは、消費者の健康志向が高まるにつれて、急速に市場が成長しているといいます。

今回買収の対象となる「スウェディッシュマッチ」は、ニコチンポーチとスヌース市場の両方の世界シェアのほぼ半分を持っている会社であり、この買収が成功すれば、スヌース市場…ひいては無煙たばこ市場の更なる発展が予想されます。

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フィリップモリスの無煙たばこ参入に、BATとJTはどう反応するか

フィリップモリス、BAT、JTの3社は加熱式たばこのシェア争いをしている3社でもあります。「IQOS」、「glo」、「Ploom」などの加熱式たばこは既に3割以上の方が紙巻たばこから切り替えているといわれ、今後もそのシェアは伸びるといわれています。

加熱式たばこは、紙巻たばこと異なり火を用いないことから燃焼による煙が出ず、その代わりに水蒸気(たばこベイパーとも呼ばれます)が出ます。

一方、無煙たばこは本当に水蒸気も煙もなにも出ず、一見するとたばこを嗜んでいることが全くわからないものです。

PMIは、2025年までに売上の半分以上を無煙製品にするという目標を掲げていますが、この無煙たばこはその究極の形といっても良い製品です。

前述のとおり買収対象となる「スウェディッシュマッチ」は、この無煙たばこの世界シェアのほぼ半分を持っている会社です。グラフにすると以下の通り(Reutersより引用)

無煙たばこの世界シェア

無煙たばこの世界シェア

(PMIの買収先である)スウェディッシュマッチが約46%、BATが約20%、JTは5%にも満たないシェア率となっています。

フィリップモリスは加熱式たばこもその圧倒的なマーケティング力から一気にシェアを拡大させましたが、無煙たばこに対しても今後大きくプッシュする可能性があります。

その時、BATやJTがどのように動くかーーたばこ業界が大きく揺れるかもしれません。

■参考
Philip Morris bets on cigarette alternatives with $16 bln Swedish Match bid(REUTERS)
Philip Morris bids $16 billion for Swedish Match in quest for alternatives to cigarettes(THE ECONOMIC TIMES)

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