【事実確認】「WHO 加熱式たばこの健康リスクは軽減しない」とNHKが報道【フィリップモリスの回答】

WHO(世界保健機関)が、「加熱式たばこ」や「電子たばこ」、「Vape」などについての見解を発表し、話題になっています。

この報道は日本でも多くの報道機関が行っており、NHKまでも特集記事を出す程になっています。

喫煙者(加熱式たばこ・Vape利用者含む)や、もちろん非喫煙者にとっても、「受動喫煙」などの観点において非常に重要なことなので、今回のWHOの見解発表に関する確認できる情報をできるだけまとめます。

目次

WHOの「加熱式たばこ」に対する見解

そもそもですが、WHOはIQOS・Ploom・gloなどの「加熱式たばこ」について、見解を以前から発表しています。

Heated tobacco products (HTPs) information sheet

内容は要約すると以下のとおりです(詳細気になる方は実際にご確認下さい)。

  • 加熱式タバコは、電子タバコとは異なり、タバコを加熱してニコチンを生成する
  • 加熱式タバコが、従来のタバコ製品よりも有害性が低いことを示す証拠はない
  • 加熱式タバコを含むあらゆる形態のタバコの使用は有害なので、使用をおすすめしない

この記事の発行(ないし更新)は、確認できる限りでは「2018年8月2日」に行われており、これは今回話題になっている(後述します)だいぶ以前から発表されていることです。

当サイトアイコスさんでも、こちらのWHOの見解については都度お伝えしてきました。

アイコスのリスクを知る 「アイコス」のリスクとは|使うからこそ知るべき加熱式タバコの危険性

2019年7月26日のWHOに関する報道

その上で、WHOの電子タバコ・加熱式タバコに関する報道が、2019年7月26日に多くされました。

主にこの2つの記事が、日本では「元記事」として話題になっています。

前者と後者ではタイトルを見ただけでも分かる通り、問題なのは「電子たばこ」なのか、「加熱式たばこ」なのか、それとも「両方」なのかが分かりづらいものになっています。

そもそもWHOも発表している通り、「電子たばこ」と「加熱式たばこ」は異なるものです。一般消費者からしたらわかりづらいのですが、気になる方は以下の記事を参照してみて下さい。

電子タバコと加熱式タバコの違い。アイコスとVape 「電子タバコ」と「加熱式タバコ」の違いーアイコスとベイプ(Vape)を比較

これに対してネットでは、「実際どうなの?」という声が上がっておりました。

その上で、双方ともの記事に

WHOは26日、喫煙に関する報告書を公表した

とあります。

その報告書とは?

AFP、NHK、どちらの記事にもソースが載っておらず、自身で探すしかありません。

AFPとNHKの元ネタ(ソース)を探す

ということで、その報告書を探してみます。

WHOのサイト内では、たしかに喫煙に関する記事が公開されていました。

そして、該当の「喫煙に関する報告書」とは以下のものを指すようです。

報告書リンク:WHO REPORT ON THE GLOBAL TOBACCO EPIDEMIC, 2019

注意:PDF形式です。ファイルサイズは6.8MBと重いので注意

この報告書内では、「加熱式タバコ」はもちろん「電子タバコ」についての記載もありました。

WHOの2019年版加熱式タバコ概要

WHOの2019年版加熱式タバコ概要

WHOの2019年版「電子タバコ」に関する見解

WHOの2019年版「電子タバコ」に関する見解

今回のWHOの発表では、

「加熱式タバコ」についても「電子タバコ」についても、有害性が提示されており、それぞれ相応の理由から規制を強化すべきと唱えている

ということがわかりました。

フィリップモリスも回答

このニュースは、ロイター通信が報道しています。

WHO launches new report on the global tobacco epidemic

ただ、まだそこまで話題になっていない印象…ではありますが、記事中で注目なのは、フィリップモリスもこのWHOの報告に回答している点です。

フィリップモリスのスポークスマン、ライアン・スパロウ氏は、WHOのメッセージは、禁煙できない人々にとってより安全な選択肢を提供することを困難にしていると述べた。

「喫煙者にとって最良の選択は、タバコとニコチンを完全にやめることであることは疑いようがありません。しかし、現実は多くの人がそうではありません。私たちは彼らに背を向けることはできません」と彼は言った。「世界保健機関のような組織は、喫煙者に(一方的に)伝えるのを一度止めて、まずは耳を傾ける必要があります。」

※本文元に著者意訳

まとめ

ここまでをまとめると以下の通りとなります。

  • WHOは以下のように報告した
    • 加熱式たばこも、電子たばこも、有害性がある
    • 「リスクが低減している」という説明に証拠はない
    • よって、何かしらの規制を強化するべき
  • フィリップモリスは以下のように回答した
    • 禁煙が一番良い方法なのは間違いないが、すぐに全てを辞めることができない人もいる
    • 私達はそういった方々の声を聞いていく( ≒すぐにIQOSなどの製品開発は辞めない)
  • 日本の報道機関は以下のようにニュースを伝えた
    • 「WHOは、加熱式たばこの健康リスクは軽減しないと報告書を出した」(NHK)
    • 「WHOは、電子たばこは”間違いなく有害”と報告書を出した」

このニュースのアイコスさん的見どころ

ここまで事実関係のソースを可能な限りまとめましたが、このニュースの見どころは以下のとおりだと思います。

  • 「加熱式たばこが有害」なのは周知の事実(WHOは以前から発表している)
    • しかし、この再度通達(のように受け取れる報告書)を、日本政府がどう受け取って「受動喫煙ルール」が定められている「健康増進法」に反映するか
    • 現状、加熱式たばこ専用喫煙室などが制定されているが、これの見直しが数年後入る可能性がある
  • 「電子たばこが有害」という発表は、揺れる世界がある
    • 電子たばこは基本的にニコチンを含まない製品を(日本では)指しますが、これが有害とされると市場が揺れる可能性がある

こんなところでしょうか。

実際、このニュースを見た上で多くのユーザーが反応を示しています。

NHKが報道するというのはやはりすごい反響が起こるのですね。

これから、ますます加熱式たばこ並びに電子たばこには注目が集まりそうですが、規制周りについてはJTなども積極的に動いていくでしょう。

今後も、なるべく正しい情報をお伝えするようにしていきます。

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