アイコス発ガン性物質は10倍?副流煙は有害か最新調査【公式回答アリ】

アイコスの発ガン性物質

アイコスには発ガン性物質が、紙巻きたばこより含まれている?という旨の情報が回っています。この情報、果たして本当なのか?をしっかり調査した結果を、この記事ではまとめます。

米フィリップモリスによる公式研究機関による回答も掲載

アイコスに発ガン性物質はあるのか、副流煙は?iQOSは有害なのかどうか、今回話題の中心となったアメリカの文化的背景なども考慮してしっかりみていきましょう。

※2018年最新の米国FDAの調査結果も更新

目次

アイコスに発がん性物質あり!?事の発端を振り返る

iqos 2.4 plusの画像

一部アイコス引いてはタバコ界隈で話題になっていることがありました。それは、

アイコスには高濃度の発がん性物質があり、受動喫煙の危険性があるかもしれない

という旨の発表でした。

更に、「アイコスの発ガン性物質は、紙巻きたばこの10倍の高濃度」とまで情報が流布されることも。

そもそも、なぜこんな情報が出回ったのでしょう?

これは、日本のとあるメディアサイトで海外の情報が翻訳され、拡散されたものでした。ただ、こういった情報はソースがなにより重要です。デマなのか?フェイクではないのか?

その発端をちゃんと見ていくとアメリカの1研究機関が発表した検証結果に行き着きます。

Heat-Not-Burn Tobacco Cigarettes Smoke by Any Other Name

この「JAMA」というメディアはそもそも何かというと、いうなればアメリカの医学者達によるジャーナルサイトで、様々な医学文献が投稿されるところなんですね。

そこに1つの研究結果として投稿されたのが、上記文献でした(閲覧には会員登録など必要です)。

それを米ロイター通信がピックアップして下記記事を公開しました。

REUTERS – ‘Heat-not-burn’ cigarettes…

そうしたところ、日本のメディアでも注目が集まるということで多く意訳が拡散され、不安が募る結果になってしまっています。

発表資料には何が書かれていたのか?翻訳して解説

アイコスどれがいい?

では、このJAMAの発表された資料には何が書かれていたのかというと、以下の内容でした。

  • アイコスもニコチンが84%含まれていた
  • アイコスにも癌の元になる物質が含まれていた
  • 一部有害物質に至っては、紙巻きたばこより高い濃度で確認された

といったものでした。

今回問題・話題になったこと

ではここの何が問題になったのかというと、「発ガン性物質がアイコスには含まれている」そして、「その発癌性物質が紙巻きたばこより多く含まれている?」という部分でした。

日本のメディアサイトでは、ここが例えば「10倍」などと強く強調されたがために、健康情報はとてもセンシティブな問題なので一気に問題になったのです。

実際はどうなのか?調査に用いられた方法は?

そもそも、アイコスはタバコ製品なのでニコチンが含まれているのは当然です。ニコチンは一種の癌の元になりうるので、発ガン性はあるのは間違いありません。

あくまでアイコスもタバコです。iQOSは「紙巻きたばこより90%の有害物質の削減に成功した」と謳っており、iQOSに全く害がないないわけではありません。

では、あらためて今回の研究機関が発表した情報で何が問題があったかというと、「アイコスには紙巻きたばこより高い濃度で有害物質が存在した」という部分でした。タールが含まれないのにそもそもそんなことはありえない。

更に、この検証は色々おかしかったのです。ひとつに、調査方法として「ラッキーストライクブルー」というタバコ銘柄の煙と、アイコスが発生する水蒸気の煙を比較して検証していたからです。

ラッキーストライクとアイコスを、まったく同じ基準として考えて比較するのは、問題があるのでは?という声が各方面から上がっていました。

この発表をしたスイスのベルン大学の主任研究者であるアウアー博士は、その結果の一例を紹介した上で、

「アイコスの発生させる副流煙(水蒸気ではある)は、安全と言い切ることは出来ない」

として、

「健康について調べるためにはさらに多くの研究が必要」

と語っています。そして最終的に、

「平均して、低い濃度ではあるものの、有害な化学製品はIQOSの煙(水蒸気)中に存在したことを確認した。更に調査を続けてた方が良いし、屋内喫煙防止法に該当させることも考慮した方が良い」

と、アウアー博士は述べて締めくくっています。

極端に翻訳されてしまった研究結果

ここまで見てきたように、この研究結果をまとめると、

アイコスはタバコなので当然ニコチンは含まれているし、それに基づく有害物質がある。しかし、全体的に見ればその有害物質はやはり紙巻きたばこよりは少ない。が、独自に調査した結果、一部発ガン性物質は多いかもしれない。引き続き調査が必要。

といったもので、アイコスも危険かもしれない。屋内喫煙防止法ではしっかりと検討しようね。

というものでした。

調査方法に問題はあるものの、一種の危険性の再提示のようなものでした。これが日本に輸入されるタイミングで極端に翻訳されてしまったのです。

健康情報に紐づく内容はやはりかなりセンシティブになりがちなもの。仕方ないかもしれませんが、日本のメディアの取り上げ方は若干恣意的なものでしたね。。

そして、、なんとこの研究結果に、iQOS公式が即座に回答したのです!研究機関同士のバトル勃発!?

アイコス公式の回答 – きっぱり否定!

アイコスとフィリップモリス

では、ここからアイコス製造販売元であるフィリップモリスサイエンスの回答を見ていきましょう。

第三者機関による調査を歓迎しつつも、結果は様々な観点から間違っていると表明

まず、このアウアー博士が表明した研究結果が出たことをある意味歓迎しているように感じました。

様々な背景の独立した科学者が製品を分析し始めているので、異なる方法論が適用されていることは驚くことではありません。

と述べた上で、この調査結果は様々な観点から間違っていることを述べています。アイコス側の意見は大きく以下のようなものでした。

研究は、目的に合った有効な方法を用いて実施すべきである

まず、「もっと厳密に研究調査をしてくれ!」と述べています。

iQOSサイエンスの方々は「まずアウアー博士の測定結果に驚いた」と表明。一般的に認知されているISOとHCIという測定方法をハイブリッドで利用してしまったそうです。これではまず正確な測定結果など得られないとのこと。

そして、

科学の基本原則は、科学の基本原則は、適切な対照の比較可能な使用を比較することを一般に推奨

と、アイコスとラッキーストライクを比較したこともおかしいとして、科学の原則に添っていないとまで発言。

そしてそもそもアウアー博士によって報告された「ラッキーストライクブルー」の有害物質の測定値も、事実と異なっているとも述べています。これでは正確な結果などとは呼べないとのこと。

出版された出版物は、適切なピアレビューを受けるべきである

そして、この調査結果は適切なレビューを受けることなく、勝手に思ったことを発表しただけということも、強烈に批判しています。

アウアー博士の述べている研究の必要性は当然理解できるものであるが、その研究として必然の「ピアレビュー(同分野の専門家による評価)」を行っていないなど、この調査結果には多くの問題がある。

と、最後には「困惑しています」とまで表現。

また、アウアー氏も認めている通り、紙巻きたばこの有害物質が90%現象されていることは間違いがなく、細胞傷害性および遺伝毒性の減少と併せて確証されている(出典:Review of the article entitled “Heat-Not-Burn Tobacco Cigarettes: Smoke by Any Other Name)と述べています。

話題の要因は日本とアメリカのタバコ事情の違いも一因している

禁煙,アイコス,日本と海外を比較

ここまでアイコスの回答を見てきました。要するに、すごい勢いで否定しています。

アイコスのフィリップモリスは以前からiQOSに巨額の投資を行っており、その研究体制は他の追従を許さない程に充実したものになっています。

なので、こういったセンシティブな話題が出てもすぐに回答できるのでしょう。ここまで専門的な内容に関わらず、反応のスピードはすごいものでした。

さて、ここで私達が知っておいた方が良いのは、アメリカのタバコ事情です。

タバコ情勢ですが、アメリカと日本は当然ですが異なっています。その文脈を理解しないままだとこの問題は日本人からしたら「?」な点が多いのも事実だからです。

まず、アメリカではまだiQOSが一般発売されていません。

そもそも、アメリカはかなり煙草の規制が厳しい国なんです。知ってました?国民レベルでとてもタバコについては敏感なんです。ある調査によれば、「子供が大麻を吸うより、タバコを吸うほうが心配」という米国民に対する調査結果も出ているほどです。

日本人からしたら、タバコより大麻の方が危険じゃないの・・!?と思いますが、それはやはりお国柄といいますか、色々な文化認識があるわけです。

なので、現在FDAという米国の政府機関で「保健・福祉省」が、タバコに該当するアイコスの発売を、フィリップモリスと調整中なのです。

アメリカでは日本よりもタバコ関連の話題はセンシティブだったりするのです。なので色々な研究がこれからも行われていくことでしょう。

アイコスに発ガン性物質?の結論とまとめ

多くの情報を見てきました。ここであらためて今回の騒動のまとめです。

  1. アメリカでアイコス発売間近。本当に大丈夫か第三者機関が独自調査
  2. 調査結果:「たばこよりアイコスは有害物質は少ない。しかし、一部では発ガン性物質があるかも。調査続けたい」
  3. 中盤の部分のみ強く日本で拡散される
  4. アイコス公式の回答①:「そもそも調査方法が国際規定で定められているものとは程遠い。比較する要素、そして前提などから内容が間違っていた」
  5. アイコス公式の回答②:「アイコスはタバコなので有害物質はある。しかし紙巻きタバコより害が大幅に低減されているのはやっぱり確かだよね」

というものでした。

そもそも第三者機関も「紙巻きたばこと比べてアイコスには有害物質が少ない」と認めた上で提言しているものでした。

日本での拡散が、「発ガン性物質が存在する可能性があるかも」程度の伝達であれば、そりゃそうだよね。だけで済んだのですが、強く伝達されてしまったのがここまで話題になった原因でしょう。

結論としては、「アイコスには有害物質はある。しかし、これまで研究されている通り、タールが含まれていない分90%近くの有害物質が削減されているのは事実。今後も各社調査を続ける」というところでしょう。

2018年アメリカFDAの最新調査結果

加熱式タバコ各種を分解してみた。プルームテックは粉末感がある

アイコスはじめ加熱式タバコに対する健康調査は常に続いています。

特にアメリカ内ではここまで見てきたとおり、かなり煙草に対して警戒感が強くかなりの研究がされています。

そんなアメリカ内でのアイコスなどの調査を行っているのが、「米食品医薬品局(FDA)」というアメリカ独自の健康調査機関です。

そのFDAが2018年初頭に、

アイコスは紙巻きたばこよりも、全般的に深刻度が低く、被害はずっと一部に集中するように見える

と暫定報告書を発表しています。

紙巻きタバコと比較したら健康被害が低下しているのは、相対的に見てほぼ間違いないことなのでしょう。

健康情報はセンシティブ。精査の必要がある

アイコスとタバコのニオイ違い

健康情報というのは、かなりセンシティブなもので、だからこそデマ情報に流されないようにしたいですね。

と言っても、今回の情報は一見デマではありませんでした。この第三者機関が提示した調査結果は、あくまで1つの調査結果だったからです。

今回の場合は1次ソースから研究方法が間違っている可能性が高い・・という感じで、そんなんどうしようもないですよね。

問題は、こういったセンシティブな情報を受け取り、すぐに感情的になってしまうことです。あくまで情報は1つの情報として受け取り、客観的に判断することが必要ですね。

また、上述したようにこれらの研究結果はいずれもアメリカでされたものでした。それを日本人である私達がナチュラルに知ることはなかなかに困難なことも確かです。

これは永遠の課題だと思っています。

今回の話題を見て、あらためて当サイトでも正確な情報をお届けしていきたいと思いました。

新型アイコスも発売され三ヶ月、これから日本ではどの国よりも早く、加熱式タバコ、新型の電子タバコが普及していきます。

プルームテックグローの全国展開もあとすこし。その最前線としてその状況を楽しみつつも、他加熱式タバコ含めてしっかりと情報を引き続きお伝えしていきたいと思います。

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