こんにちわ、加熱式たばこブロガーのアイコスさんです。
今日はかなりビジネスライクな…いや、むしろ若干マニアックなIQOS情報をお届け!アイコスの世界展開が更に加速しそうです。
加熱式タバコビジネスにおいて非常に大事なのは、適切な供給体制の確立です。
これはIQOSのフィリップモリスはもちろん、Ploomブランドを持つJTも同じ課題を抱えています。むしろJTはこの供給体制の確立に失敗しシェア拡大競争において後手に回っています。
その状況下で、「IQOS」が更に頭一つ抜き出しそうです。
加熱式タバコ市場で勝つためには
先日、JTは最適な供給体制の構築がうまくいかず、結果的にいくつかの日本国内工場を閉鎖し、3,000人の社員を事実上リストラするという発表をしました。
【解説】JTが高温加熱式たばこを強化&3000人規模の希望退職者を募集【たばこの転換期】実はJTの「Ploom」シリーズは、これまで「IQOS」や「glo」と比べて展開が遅いのが特徴的でした。「PloomTECHが欲しい!」とみんなが思っていても、売り切れで買えないという状態が2018年には続き、最新モデルの「PloomTECH + with」でさえ、コンビニ全国展開は初登場から数ヶ月を要していました。
一方で、「IQOS」や「glo」は非常に展開が早いのが特徴です。この世界規模での展開力の速さはメーカーであるフィリップモリスとBATの特徴的な強みとなっています。
サプライチェーンの構築が重要
非常にライトに捉えると、加熱式タバコビジネスは、いかにユーザーに刺さる製品開発を行い、いかに効率的に生産し配送するかを競うビジネスゲームと捉えることもできます。
しかもこの展開を世界規模で行う必要があります。この点でJTは完全に後手に回っており、日本国内の展開を縮小してでも世界展開により力を入れようとしているのが上記の発表になります。
さて、そのくらいユーザーに送り届ける供給体制…つまり、最適なサプライチェーンを作り上げることは会社の命運を賭けてでも行わないとならないことなのです。
その大きな1手を、IQOSのフィリップモリスは打ちました。サプライチェーン構築の世界的リーダーである「Blue Yonder(ブルーヨンダー)」と「フィリップモリスインターナショナル(PMI)」が事業提携したのです。これは一気にIQOSの世界展開が加速することが予想できます。
フィリップモリスとBlue Yonderが提携
先月、PMIがサプライチェーン戦略を完成させるために、ブルーヨンダーのSaaSおよびクラウドベースの輸送管理ソリューションを採用したことを発表しました。
これにより、ブルーヨンダーはPMIをサポートし、スケーラブルなソリューションを提供することで世界的な貨物管理を支援することになります。
これによりPMIは、例えば以下のことができるようになります。
- 適切な商品の計画と最適化
- 輸配送を改善しつつ、配送コストを最適に管理
- 二次流通チャネルを通じてB2Cの顧客へのサービス提供能力強化
ブルーヨンダーからのコメント
この提携にあたり、ブルーヨンダーのJohan Reventberg氏は、次のように述べています。
私たちは、煙の出ない製品カテゴリーの商品化を進めるPMIをサポートさせていただくのを楽しみにしています。新たなサプライチェーン・チャネルが求められる中、当社のソリューションは、PMIが変化する要件に適応するための俊敏性を高めるだけでなく、変化する状況に対するレジリエンス(回復力)を強化するのにも役立ちます。
フィリップモリスからのコメント
この提携にあたり、PMIのグローバル・サプライチェーン担当バイスプレジデントのDavid Cutter氏は、次のように述べています。
輸送は戦略的なプロセスであり、当社は小売業のお客さまにサービスを提供し、煙の出ない製品カテゴリーの高まるニーズに応えるために、製品在庫の可視性と管理をより確実にしたいと考えていました。Blue YonderのTMSは、適切な要素をすべて備えており、市場での実績も有しています。当社がこのカテゴリーを引き続き成長させていく上で、重要なパートナーになると確信しています。
ブルーヨンダーをもう少し解説します
ブルーヨンダーは世界的にサプライチェーン構築ビジネスを行っています。例えば、私達もよく知っている企業の裏には、実はこのブルーヨンダーが関わっていたりします。
- P&G
- スターバックス
- ウォルマート
- コカ・コーラ
- メルセデス・ベンツ
- ユニリーバ
世界に約3300社を顧客に持つ企業で、40以上の拠点を持ち、従業員は5000人を超えています。
顧客の顔ぶれを見ると納得できるかと思いますが、実はこういった企業は日本に住む私達も気軽に毎日のように利用することができていますが、この裏には絶対に商品を最適に届けるための供給網があるのです。この根幹の仕組みを作っているのがブルーヨンダーです。
アイコスさん
IQOSの世界展開が更に加速する
PMIがブルーヨンダーと提携する裏には、PMIの「IQOS」を軸にした販売の拡大への狙いがあります。
PMIは、世界中で煙の出ない製品を商品化することにより、煙のない社会を実現するよう、ビジネスの変革を続けています。
既に様々な地域において既存の紙巻きタバコは消滅するというレポートが出されており、強烈に、そして迅速に、加熱式タバコなどの紙巻きタバコの代替となる商品展開が必須となっているのです。
2050年に「タバコ」は消滅する?米国アナリストが発表|IQOSなど加熱式タバコに切り替えかPMIの株価も上昇傾向が続く
この取り組みを市場はしっかりと評価しており、先月末には株価が上昇しています。また、長い目で見るとPMIの株価は上昇を続けており、変化し続ける企業体制が高く評価されています。
この株価の上昇はなにも加熱式タバコを手掛けている企業全てに当てはまっているわけではありません。
比較対象としてJTを見てみると、停滞・・とまでは言いませんが、凪が続いています。
この提携にはJTやBATも危機感を覚えるのでは?
今回のPMIとブルーヨンダーの提携には、JTやBATは危機感を更に募らせていると思います。この加熱式タバコビジネスは、何も日本国内だけの戦いではなく、世界で戦わないとならないからです。
- いかに革新的な商品を作り上げ、
- いかに効率的に世界中にいるユーザーに送り届け、
- ユーザーの支持を受けてシェアを獲得し続ける。
そんな必要があるのです。
なぜなら、この効率性があるからこそ、安い価格設定ができて、迅速にユーザーに商品を届けることができるからです。
変わり続けないと、追いつけない。市場での敗北を意味する。
これはどんな市場でも、どんな企業でもいえることですが、変わり続けることが重要です。
例えば、加熱式タバコの「PULZE(パルズ)」とVAPE「myblu」は、日本国内からの撤退を先日発表したばかりです。両ブランドのメーカーはインペリアル・タバコという企業でしたが、決して資金力がない企業ではなかったはず。つまり、どんな企業でもこうなってしまう可能性があるということです。
今後、加熱式タバコ市場は更に競争が激しくなっていくでしょう。引き続き最新情報をアイコスさんではお伝えしていきます。