55%の日本人が加熱式たばこを誤解している フィリップモリスが調査結果を発表

加熱式たばこに関するフィリップモリスインターナショナルの調査結果

日本第2位のたばこ会社フィリップモリスジャパンが10月20日、「加熱式たばこ」などの煙の出ない代替製品に関する誤った情報や認識が、社会に根強く残っている旨をまとめた調査結果を発表しました。

紙巻たばこの喫煙を続ける成人喫煙者にとって、煙の出ない代替製品への切替えがより良い選択肢であることを支持する科学的な評価も進み、社会的な理解も広がりつつある一方で、誤った情報の意図的な流布がされており、「製品に関する公正な議論や正しい理解の障壁になっている」としています。

アイコスさん

監修者

Twitter:@iqossan
2016年より運営している加熱式たばこメディア「アイコスさん」代表。IQOS歴は7年。gloとPloom歴は6年。加熱式たばこデバイス所持数は100台を超える。
JT本社に取材、IQOSストア銀座店のオープン初日に取材など、加熱式たばこをはじめとした「新型たばこ」の情報を、正しくわかりやすく伝えることを心がける。月間最高PV数は400万。

日本人の55%が誤解している

フィリップモリスインターナショナル(以下PMI)は、調査会社Povaddo社に委託して、2021年7~8月にかけて26カ国において、一般から無作為に選ばれた法定年齢の成人29,484人を対象に実施した国際的な調査の結果からは、以下のことがわかったといいます。

  • 成人喫煙者の多くが紙巻たばこに比べてより良い代替製品があることに気付いていない
  • 間違った情報や誤解を招く情報のために混乱して選択ができないでいる
  • 日本では一般成人の55%が加熱式たばこ製品は紙巻たばこと同等かそれ以上に有害だと考えている

特に26カ国全体の調査では、調査に回答した一般成人の約半数が、電子たばこや加熱式たばこ製品は、紙巻たばこと同等かそれ以上に有害であると誤解していたといいます。(電子たばこは45%、加熱式たばこは46%)

中で日本は、煙の出ない代替製品が最も普及している国の一つですが、一般成人のうち55%が、加熱式たばこ製品は紙巻たばこと同等かそれ以上に有害だと認識しており、現在も紙巻たばこの喫煙を続けている成人喫煙者の間では44%となっていたとのこと。

フィリップ・モリス・インターナショナルの公式ホームページでは”MISINFORMATION”として、現状への危機感を訴えている。
フィリップ・モリス・インターナショナルの公式ホームページでは”MISINFORMATION”として、現状への危機感を訴えている。

MISINFORMATION:A MAJOR ROADBLOCK TO A SMOKE-FREE FUTURE(PMI公式ホームページ)*遷移先は英語ページです

煙の出ない代替製品への正確な情報アクセスが必要

また、だからこそ、煙の出ない代替製品に対する科学と事実に基づいた総合的な評価を求める声が高まっているとPMIは言います。

本調査では、回答者の79%が 「喫煙を続ける意思のある成人喫煙者は煙の出ない代替製品へのアクセスと正確な情報が必要」 と回答し、回答者が喫煙者の場合、その割合は87%に上っていました。

ハームリダクションの可能性を周知する必要性

このことから、「害を及ぼす行為そのものを禁止または阻止する」のではなく、そうした行為によって引き起こされる害の低減―リダクションーを目的とした考え方である「ハームリダクション」の可能性をより一層周知・啓発する必要性があるとPMIは表明しています。

わかりやすく「加熱式たばこ」を伝える必要がある

私はこう思いました。

アイコスさんアイコスさん

ここからはPMIの発表に対する筆者の感想です。

PMIは「煙のない社会」の実現を目指している

PMIとフィリップモリスジャパンは、「煙のない社会」の実現を目指しているといいます。つまり、紙巻たばこ全てを「煙の出ない代替製品」へと切替えることを目指しているわけです。

「煙の出ない代替製品」の代表が、「IQOS」です。

例えば「2025年にはPMIの売上の50%以上をIQOSなどの代替製品に置き換える」という発表すらもしています。PMIのこのビジョンは、CEOも語る通り本気のようです。

PMIのヤツェク・オルチャクCEO
PMIのヤツェク・オルチャクCEO

2021 Virtual Invester Day より

正直「IQOS」って超絶わかりにくかった

この記事の筆者である私は、5年以上加熱式たばこの情報をお伝えしていますが、(IQOSの売上がどうとかは置いておき、)「煙のない社会」の実現のために、わかりやすく「加熱式たばこ」を伝える必要があるという点において、強く共感します。

日本でも「IQOS」が4,5年前に大ヒットしましたが、そのヒットの要因も加熱式たばこの違いをしっかりと把握した上で利用し始めたわけではなく、有名人が利用していて話題になったり、それに合わせてコンビニで積極的なプロモーションを行うなどして、企業として正確にマーケティングを行ってきたから…そんな影響が強いと思います。

IQOS(アイコス)が流行った2つの理由|加熱式たばこの日本での発展と異常性 IQOS(アイコス)が流行った2つの理由|加熱式たばこの日本での発展と異常性

これは通常の企業活動として問題ないものかと思います。

しかし、この調査報告でもある通り、「間違った情報や誤解を招く情報のために混乱して選択ができないでいる」という想いは尽きなかったと思います。なんなら今だって何が正しいのか、わかりにくい状態が続いていると思います。

正しく、わかりやすく、続けていく

調査結果では、加熱式たばこ等のより良い代替製品の切替えを検討しない理由を尋ねると、調査した紙巻たばこ喫煙者の約3分の1が、紙巻たばことの違いに関する情報がない(33%)、科学的事実がよく分からない(35%)と答えたそうです。

これまでFDAの調査結果や、政府が行った調査結果などを、当ブログ「アイコスさん」ではお伝えしてきましたが、やっぱり原文はどうしたってわかりにくいんですよね。だからこそ、このようにちゃんと解釈して伝える存在が必要だと思っています。

そんな中、日本では、より良い代替製品に切替えて紙巻たばこの喫煙をやめることができた成人喫煙者の78%が、切替えにおいて重要かつ決定的な要因となったのは、紙巻たばこと、煙の出ない製品の違いに関する正確な情報を得たことである、と回答したそうです。

5年間ずっと「加熱式たばこ」を伝え続けてきた当ブログが、少しでも役立っていたら良いなぁ…とそんなことも思いました。

アイコスさんアイコスさん

そしてありがたいことに、Twitterでは9000人に、Facebookのフォロワーは1万人の方にフォロー頂き、日々多くの方に読んで頂いております。今後も、IQOSをはじめとした加熱式たばこについて、しっかりと正しく情報を、わかりやすくお伝えしていきたいと思います。

本当に読者の皆様には感謝でいっぱいです!これかもどうぞよろしくお願いいたします!

アイコスさんアイコスさん