IQOS(アイコス)が流行った2つの理由|加熱式たばこの日本での発展と異常性

アイコスが流行った理由

「加熱式たばこ」といえば何を思い浮かべますか?

人によっては、もしかしたら「よくわからない」という人もいるでしょう。ただ、なんとなく知っている人にとって、一番に思いつくのは【アイコス】だと思います。

このアイコスが日本に初登場したのは2014年。その後2016年には全国展開を果たしました。

その詳しい説明が、先日IQOS公式サイトに公開されました。

目次

日本での加熱式たばこIQOS(アイコス)の展開

出展:加熱式たばこIQOS(アイコス)の日本での展開

日本では、2014年11月に名古屋でIQOSの発売が開始されました。その後、2015年9月にはIQOSショップ(全国8店舗)で販売が開始され、2015年末には東京をはじめとする一部地域での発売を開始。さらに翌年2016年4月からは、全国での発売が開始しました。
2017年3月には、充電時間の短縮や加熱ブレードの強化、バイブレーション機能を備えたIQOS 2.4 PLUS (アイコス 2.4 プラス)の発売が開始されました。
そして、2018年11月には本格的なモデルチェンジが行われ、よりコンパクトになったIQOS 3(アイコス 3)とチャージャー一体型で連続使用が可能なIQOS 3 MULTI(アイコス 3 マルチ)がラインアップに加わりました。

IQOSの出来事を時系列で並べる

時系列で見ると

  • 2014年11月:IQOS発売(名古屋地域限定)
  • 2015年9月:IQOSショップオープン(全国8店舗)
  • 2016年4月:全国発売開始
  • 2017年3月:IQOS 2.4 PLUS (アイコス 2.4 プラス)発売
  • 2018年11月:IQOS 3(アイコス 3)とIQOS 3 MULTI(アイコス 3 マルチ)発売

2014年に名古屋にて地域限定発売してから、かれこれ5年が経とうとしています。

それまでにアイコスは一気にシェアを伸ばしてきました。

今ではアイコスの国内利用者数は500万人を超えており、加熱式たばこ市場の中でNo1のシェアを誇っています。

IQOS公式サイトでもシェアNo1をアピールしている

IQOS公式サイトでもシェアNo1をアピールしている

IQOSの日本での異常な人気 なぜ

なぜここまでIQOSは人気が出たのか。

アイコス公式では、加熱式たばこの説明を以下のようにしています。

加熱式たばこは、たばこ葉を燃やすのではなく、加熱することによって蒸気(たばこベイパー)を発生させる仕組みのたばこです。

火を使わないタバコ−

そのメリットは様々ありますが、実はそのメリットを享受できる形態のタバコは【電子たばこ】や【無煙たばこ】といった商品として、アイコス発売以前から存在しました。

例えば、JTでは【無煙たばこ】として、「ゼロスタイル・スティックス」や「ゼロスタイル・スヌース」をアイコス発売以前から販売しています。

参考:JT – 無煙たばこ(スヌース他)

なぜこれらのたばこは流行らず、アイコスは流行ったのでしょうか。

加熱式たばこのメリットとして、有害性が90%削減などフィリップモリスは多くの研究を行いそして発表してきています。

アイコス(IQOS)のニコチン濃度・有害成分の臨床実験結果が公開 アイコスのニコチン量と健康リスク|厚生労働省とIQOSメーカーのデータを比較

こういったよく聞く機能的な理由の他に、アイコスを大きく後押しした2つの要因があると思います。

理由①:一本ずつ吸う「電子タバコ」だったから

一つに、アイコスが一本ずつ吸う「電子タバコ」という扱いだったからというものがあると思います。

たばこって、あくまで「たばこ」であり、その行動(ユーザー体験≒UX)を書き出すと以下のようになります。

  1. 喫煙可能な場所に行く
  2. たばことライターを取り出す
  3. 一本取り出してくわえる
  4. 火を付ける
  5. 吸う
  6. 吸い終わる
  7. 吸い殻を灰皿に入れる

当たり前といえば、当たり前ですよね?

「たばこ」の行動といえば、↑なんです。

つまり、「たばこ」である限り上記の行動から逸脱してはいけないのです。

アイコスはここの設計が実にうまかったと感じます。

UX(ユーザー体験)をほぼそのまま移植した

例えば、上述した【電子タバコ】は、Vapeと呼ばれアイコス以前からありました。

ただ、その性質はかなり「たばこ」の行動のそれとは違うものでした。

  • 1本という単位がない
  • 吸い終わりという区切りがない
  • リキッドを買う
  • リキッドを注入する
  • etc…

異なる点を上げればキリがありません。

こういった行動や性質の違いが、ユーザーを電子タバコから遠のけていました。

しかし、【圧倒的に健康的】であり且つ【使い勝手がほぼ一緒】ならその代替としてユーザーが認めたのです。その第一号がアイコスでした。

アイコスのUXを書き出すと以下のようなものになります。

  1. アイコスを充電する
  2. 喫煙可能な場所に行く
  3. アイコスとヒートスティックを取り出す
  4. 一本取り出してホルダーに入れる
  5. 電源を入れる
  6. 吸う
  7. 吸い終わる
  8. 吸い殻を灰皿に入れる

この書き出したアイコスの体験は、「紙巻きたばこ」とほぼほぼ一緒なんです。

体験の流れとして「充電する」という行動は新たに加わったり、待機時間が少し増えたり・・という変化はありますが、大半の行動が一緒なんです。

この体験の相違を起こさせない【電子タバコの設計】がアイコスへの移行難易度を下げたと思います。

理由②:TVで一気に話題になったから

その上で、ただ発売しただけではアイコスはここまで流行らなかったと思います。

ジワジワと口コミで人気が増してきたところで、アメトークでIQOS特集が放送されました。

アメトーク公式サイトでは、バックナンバーとして当時の記録が残っています。

2016年4月28日(木)最新!芸人タバコ事情

出演:フットボールアワー後藤&FUJIWARA藤本&千鳥ノブ&ケンドーコバヤシ&インパルス板倉&狩野英孝

出演:フットボールアワー後藤&FUJIWARA藤本&千鳥ノブ&ケンドーコバヤシ&インパルス板倉&狩野英孝

引用元:https://www.tv-asahi.co.jp/ametalk/backnumber/0004/

この会から、アイコスの知名度は一気に上がり、人気が爆発的に上がっていきます。

Google検索数を見てもアメトークの放送会から、急激に上昇していることがわかります。

アメトーク放送会からアイコスの検索数が大幅に上昇

アメトーク放送会からアイコスの検索数が大幅に上昇している

比較として、プルームテックとグローもグラフに入れていますが、アイコスが100だったとしたらどちらも1程度しか検索されていない状況。

このTV放送によって、アイコスは圧倒的な知名度と人気を獲得します。

売り切れ状態が続く異常事態|転売で価格も高騰

この人気の急上昇は控えめに言っても異常でした。

↑の期間中、急上昇したワードを見てみましょう。人々がアイコスを求めていることが見て取れます。

「アイコス 買えない」という悩みが顕在化していた

「アイコス 買えない」という悩みが顕在化していた

年代表に戻ると、【2016年4月:全国発売開始】とありました。まさにアメトークのTV放送あたりから全国発売と重なっています。

ですが、この急激な人気の上昇に在庫量を間に合わせることができず、売り切れが続出します。その結果、「アイコス 売ってない」という検索も多くの方がしています。

この心理を汲み取って動いたのが、転売です。

定価9,980のところ、通販の価格は16,000〜20,000円程度と、ほぼ2倍の価格で販売されており、まさに品薄状態。

コンビニでの販売もされていましたが、10軒,20軒,,何店舗回っても買えない状態が続いていました。

ステマだったのか?

この人気の急上昇と品薄状態・・放送日と展開スケジュールの一致・・・これらを鑑みると、アイコスの展開はステマだったのではないか?という話題も尽きることがありません。

結論として言えば、ステマだったのかどうかはわかりません。

ステルスマーケティング(英: Stealth Marketing)とは、消費者に宣伝と気づかれないように宣伝行為をすること

Wikipediaにはあります。

このアメトークの放送を、「宣伝」と捉えればステマに該当しますが、TV局(制作会社等)に、フィリップモリスからお金を払って宣伝してもらった…という発表はありません。

その期間中、アメトーク放送がなくても、アイコスの人気はジワジワと喫煙者界隈で出ていました。その自然の流れの偶然の一致だったのかもしれません。

ただ、言えるのはフィリップモリスのマーケティング能力は非常に高いということです。

どんなTV放送でも、一応の確認は取るはずですし、連携はきっと行うことでしょう。

消費者が何を求めているのか、それをいつ消費者に提示するのか、フィリップモリスの分析能力と行動力は非常に高かったと想定できます。

今後のアイコスの展開

2016年〜2017年にかけて、在庫品薄状態が続いていましたが、2018年頃からは供給も追いついてきて、価格も定価で購入できるようになってきました。2018年末にはリニューアルされた「IQOS 3」シリーズも発売し、ますます展開を進めています。

新型アイコスどっちがおすすめ?比較してみたアイコス3とマルチを半年使ってみた!IQOS本体を種類毎にレビュー【動画で比較】

生産体制が強化されたのか、IQOSショップも続々とオープン。

ヤマダ電機とも正式に協業を行い、多くの店舗にアイコスブース(アイコスショップ)が店内オープンしています。

IQOS ショップ 盛岡 | IQOS ショップ 京都吉祥院 | IQOS ショップ LABI新橋 | IQOS ショップ LABI新宿西口 | IQOS ショップ LABI新宿東口 | IQOS ショップ LABI品川大井町 | IQOS ショップ ヤマダ電機 松本本店 | IQOS ショップ ヤマダ電機 幕張本店 | IQOS ショップ ヤマダ電機 福岡香椎店 | IQOS ショップ ヤマダ電機 LABI三宮店 |​​​​​ ​​IQOS ショップ ヤマダ電機テックランド横浜本店 | IQOS ショップ ヤマダ電機Concept LABI TOKYO | IQOS ショップ 家電住まいる館YAMADA加古川本店 | IQOSショップ 家電住まいる館YAMADA春日部本店 | IQOSショップ 家電住まいる館YAMADA港北センター本店 | IQOS ショップ 家電住まいる館YAMADA横浜金沢店 | IQOS ショップ 家電住まいる館YAMADAクロスガーデン川崎幸店

IQOSショップ ヤマダ電機

あたらしくドンキホーテともIQOSは協業を発表しており、「IQOSコーナー」というスペースも最近開設されました。

海外でも展開を進めており、ずっと販売許可が降りていなかったアメリカでも、IQOSの発売が解禁されることが2019年決定。この夏からIQOSの展開が米国でも始まります。

アイコス3の画像【速報】アイコスがアメリカで夏発売|FDAが加熱式タバコIQOSの販売を許可

アイコスが流行った理由

アイコスが流行った理由は、加熱式たばことしての健康性やニオイの少なさ・・というものは当然としてありますが、

  • (ユーザー体験を考慮した)プロダクト設計力
  • マーケティング力

という2点にも相当な強みがあり、この力を持ってして流行った感があります。

これは、他にも様々な類似機能を持つ商品がある中、アイコスだけが流行ったことから理解できるものです。

フィリップモリスは、このアイコスを持ってして、紙巻きたばこから撤退するという旨の発表も行っています。

この展開は社の命運を懸けて全力で行っていくことでしょう。

引き続きアイコスさんではその展開を追っていきたいと思います。

 

アイコスが流行った理由

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