フィリップモリスが製造販売している加熱式タバコ「IQOS(アイコス」。近年発売された後大ヒットを記録し、既存紙巻きたばこ利用者は減り続け、加熱式タバコ利用者は増加の一途をたどっています。
「体への影響が紙巻きたばこより良いからー」この理由で利用を始めた方は多いはず。ただ、マニュアル通りしっかり掃除しないと健康被害が強まるという臨床結果が出てきました。
「アイコスが臭い」と感じたことありませんか?
通常の紙巻きたばこより煙と有害物質が低いとされている「IQOS(アイコス)」ですが、利用していて…
なんか…臭い?
と感じたことありませんか?
「はじめはこんなニオイはしなかったのに、だんだんと異臭を発生するようになった」という方、実は多いと思います。
実際、アイコスのこの異臭を…
- 焦げたニオイがする
- 焼き芋のニオイがする
などなど、利用者やその周辺の人(非喫煙者)含め多くの方が感じています。
今回、この「臭い状態」でアイコスを利用を継続すると、人体への健康被害が強まるという報告がありました。
海外論文「有毒化学物質が発生している可能性」|日本禁煙学会が報告
この原文は、アメリカカリフォルニア大学の研究グループが2018年3月に出した「Tobacco Control」という論文に基づくもので、日本禁煙学会が、日本国内並びに、財務大臣である麻生太郎氏・厚生労働大臣である加藤勝信氏に報告しているものです。
内容は、
アイコス専用タバコである「ヒートスティック」のフィルターに使用されているプラスチック製のパーツが熱により溶け、有害物質を発生させる危険性がある
というものでした。
なるほど。「アイコス実機本体」というより、、アイコスを利用することでヒートスティックのフィルターが蒸し焼きされてそこから有害物質が出るという説明で納得感がありました。これまでの研究とは少し違った視点での臨床研究のようですね。
日本禁煙学会が報告した原文の抜粋は、以下をタップすると開閉してご覧になれます。
緊急警告 (2)
アイコスは、青酸に変化する恐れのあるフォルムアルデヒドシアンヒドリンを発生することが確認されました。
アイコスのフィルターには、350度近くに加熱されたエアロゾルを冷やすために、ポリマーフィルターが使われています。このポリマーフィルターが90℃に加熱されると、青酸に変化する恐れのあるフォルムアルデヒドシアンヒドリンを発生することが確認されました。
タバココントロール誌に掲載された論文の概要を訳しましたので、ご覧ください。
https://yahoo.jp/box/oemDcV
端的にいうと、アイコスを使用するとプラスチックが焦げて、異臭が発生している恐れが高く、この異臭が周囲の人々に、不快な影響を与えるだけでなく、通常の社会生活環境下で存在してはいけない有毒化学物質が発散される可能性があることが示されたと考えます。
一般社団法人 日本禁煙学会 理事 松崎道幸・理事長 作田 学
この日本禁煙学会並びに当該論文の報告文、非常にわかりやすく、以下からはそれぞれ詳細に伝えます。
掃除をしていないと発生する有害物質
まず、今回問題になっているのは下図の「ヒートスティック」内に含まれている「ポリマーフィルム・フィルター」という部分です。
この部分は、吸引した時に熱がダイレクトに伝わりすぎないように低温処理するための機能を擁しているプラスティック製のフィルターです。
アイコス本体を掃除しないで利用し続けると、熱伝導がうまく行われずこの箇所が不要に燃焼してしまう可能性があるとの結果が出ています。
利用を続けると燃焼部位が変わってくる
掃除しないでの利用を続けると…とはどういうことか。画像で見るとよくわかります。
下図は上段がタバコ葉、下段がフィルダーの画像であり、左から順に未使用時から利用本数を増やしていっています。
つまり、左から二番目はアイコス本体未使用状態で初めて吸った1本目のヒートスティック、一番右はアイコス本体を掃除せずに吸った10本目のヒートスティックということですね。
使用回数によって、上段のたばこ葉はわかりやすく燃焼範囲が変わっていますし、下段のフィルターも変色度が異なっていることがわかります。
要は、クリーニングせずに利用を重ねると、不要に焦げてしまう範囲が広がってしまうわけです。熱伝導が明らかに初期段階より最適ではなくなっているのでしょう。
原因は”クリーニングしない”こと
なぜ熱伝導が最適でなくなってしまうのか。それは利用を続けるとアイコスの加熱ブレード部分が汚れてしまうためです。
下図はアイコス本体の加熱ブレードが利用数に従って汚れていくことがわかるものになります。
このクリーニングしない状態が続き汚れが溜まっていくと、熱伝導が最適に行われず「ヒートスティック」が最適に加熱されない状態になってしまうわけですね。上図のGHIの段階では、確かに熱伝導に支障をきたしそうです。
そして、実際にクリーニングしない状態では「ニオイ」が強いです。つまり、クリーニングせずアイコスが汚れている状態は、異臭を発生させつつも人体への悪影響が高まっている状態であるといえることが今回の研究結果でわかりました。
素晴らしい研究とその成果
この論文の着眼点の良いところが、既存の発ガン性物質などの調査だけに留まっていない点です。
これまでは、例えばヒートスティックを加熱することで「ニコチン」や「タール」が発生するか− といった既存タバコの延長線上での健康影響調査でした。
ただ、今回のものは「利用を続けることでフィルターが溶け、その結果有害物質が発生するのではないか?」という加熱式タバコだからこそ発生するかもしれない有害性を検証しています。この点は非常に素晴らしい。
なんとなく皆が感じていた「臭い」という現象には「やはり問題があるかもしれない」という考えを持てる良いキッカケになりそうです。
どれだけ発生しているか、重大性は引き続き注視
論文内では「フォルムアルデヒド・シアノヒドリン」が発生していると書かれていますが、これは強い毒性を持つ「青酸」に変化する恐れがあると言われているものです。
確かにこれは大変に問題です。ただ一点気になる箇所があり、実際の臨床結果論文内では以下のようにありました。
加熱した18分近く、90℃加熱直後に、フォルムアルデヒドシアンヒドリンのピークが出現した
この「加熱した18分近く」というのがどういう状態なのかが若干不明です。なぜならアイコスは一本のヒートスティックを18分も吸い続けることはないからです。フィルターを独自で燃焼し続けたということなのか、連続吸引の総和の時間なのか?
ただいずれにせよ、事実として有害性物質が発生したことは間違いないので、アイコスを利用している限りこういった危険性はあるものとしっかり認識しておきましょう。
マニュアル通りしっかりクリーニングしましょう
この危険性から身を護るために必要なアクションは2つあります。一つは「禁煙をする」もう一つは「クリーニングをしっかりする」ということです。
そもそもアイコスはフィリップモリス自体が「禁煙代替品」と述べています。禁煙に移行できるのが一番良い選択肢でしょう。
といってもそう簡単ではないはずなので、やはりアイコスの利用を続けるのであればクリーニングは徹底するようにしましょう。
クリーニング用品は基本的にアイコスキット(本体)に付随されています。
マニュアル通りのクリーニング方法は以下の記事でしっかり解説しています。
筆者はなんどもアイコスストアを訪れ、アイコスの中の人からしっかりと方法を伝授してもらっています。上記の通り行えば基本的に問題ないはずです。
クリーニングする・しないでは、臭いや味が全く違います!とこれまで説明していましたが、人体への影響も変わってくるのであればしっかりと行う必要が出てきますね。
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