先日、このような質問を受けました。
「今、紙巻きたばこを吸っているんですが、アイコスなどの加熱式タバコに切り替えたら保険料が安くなりますか?」
というものです。
要は生命保険において「非喫煙者割引」という割引制度がありますが、加熱式タバコはそれに該当して安くなるのか?という質問でした。
答えは…NOです。詳細を見ていきましょう。
生命保険の「非喫煙者割引」とは
あらためて、「非喫煙者割引」というものが、生命保険にはあります。
保険にすでに入っていたり、入ろうかなーといろいろと見たことがある方なら見聞きしたことがあるかもしれません。
要点をまとめると以下のようなものです。
- タバコを吸わない人は健康的リスクが低いので保険料を安くできる
- 過去1〜2年以内に喫煙していないと受けることができる
- 他にも「健康な人ほど保険料が下がる」プランが色々ある
例えば、メットライフ生命には
というものがあり、キャッチコピーは
「健康な方ほど保険料が割引になる死亡保険」
とされています。ダイレクトなキャッチコピーですが、内容は本当にそのまんまで、
喫煙の有無や血圧・体格など、健康状態によって4段階の保険料率が設定されています。
最大約54%も割引が適用されるので、当然安い方が良いので人気のこの保険商品。
そこで気になってくるのが、「喫煙の有無」に加熱式タバコは含まれるのか?ということで、質問者の方もお伺いされたことでしょう。
大手生命保険会社を調べてみた
結論はわかっていましたが、、もしやすると加熱式タバコも非喫煙者割引が適用される可能性があるかも・・。と思ったので問い合わせしたり、調べてみました。以下表にまとめます。
保険会社 | アイコス(IQOS) | プルームテック(PloomTECH) | グロー(glo) |
---|---|---|---|
メットライフ | ✕ | ✕ | ✕ |
第一生命 | ✕ | ✕ | ✕ |
ソニー生命 | ✕ | ✕ | ✕ |
アフラック | ✕ | ✕ | ✕ |
チューリッヒ生命 | ✕ | ✕ | ✕ |
加熱式タバコといえばな3機種に対して、「アイコス・プルームテック・グローとありますが、非喫煙者割引ってどうなんですか?」と聞いてみましたが、やはり5社とも「割引は適用されません」と回答頂きました。
話がそれますが、各社手を変え品を変え、”非喫煙者”に対する割引があるんですね。
例えば、アフラックは「ノンスモーカー割引特約」、第一生命は「非喫煙者割引特約」、などなど・・・。
ただ結論としては、想定したとおりのものでした。なぜ加熱式タバコは「非喫煙者割引」に該当しないのでしょうか。
なぜ、加熱式タバコは「非喫煙者割引」に該当しないのか
加熱式タバコが「非喫煙者割引」に該当しない理由、それは、
加熱式タバコも”タバコ”なので利用していたら”喫煙”に該当する
ニコチン検査で陽性となるから
です。
加熱式たばこも紙巻きたばこも、20歳以上だけが利用できる「たばこ」です。それを利用していたら、もちろん喫煙に該当し”喫煙者”となります。
また、仮に加熱式タバコに詳しくない保険会社の場合でも、ニコチン検査で陽性となるため「非喫煙者割引」は適用できません。
アイコスなど加熱式タバコは、健康懸念物質が90%削減!といっても、そこにニコチンは含まれます。
加熱式タバコが削減しているのは「タール」であって、「ニコチン」は当然含まれているのです。
アイコスのニコチン量と健康リスク|厚生労働省とIQOSメーカーのデータを比較といっても、詳細な成分表を比較すると健康懸念物質が削減されているのは明らかです。(上記記事を参照)
今後健康増進法が進行し、加熱式タバコの社会的立ち位置が明確になってきたら「非喫煙者割引」の対象か否かは変わってくる可能性もあります。その際はまた問い合わせてみたいと思います。
喫煙率は下がっているので「非喫煙者割引」がなくなる?
ちなみに別軸の話にはなりますが、昨今喫煙率は大幅に下がっています。
喫煙者数は減少する中、アイコス・加熱式タバコなど禁煙代替品は増加している事実2018年には、喫煙率は男女計で18.9%という結果が出ています。
この数値は実は衝撃的なもので、平成が始まった1989年には男女合計で喫煙率は36%でした。
つまり、この30年で喫煙率はほぼ半減したといえるのです。
「非喫煙者割引」は喫煙者が多い前提で割引がされるものでしたが、ほぼ大半の方が喫煙者ではない昨今、その割引制度をなくしている保険会社もありました。
例えば、ライフネット生命では、「非喫煙者割引」を取り扱っていないとの発表がされています。
保険各社がどのように今後動くかはわかりませんが、こういう決定を下す企業も増えていくかもしれません。
健康のためには吸わないのが一番の選択肢
もちろんですが、保険会社が非喫煙者割引という制度商品を作るくらい、喫煙は健康に悪い影響を与えます。
特に紙巻きたばこなどもってのほかです。
紙巻きたばこは自分だけでなく、副流煙で他人にも悪影響を与えます。
また、加熱式タバコにもリスクがあることに間違いはないので、その事実はしっかりと認識した上で利用していくようにしましょうね!
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