紙巻きたばこからアイコスなど加熱式たばこに切り替えた理由ランキング【6カ国調査】

アイコスなど加熱式たばこに切り替えた理由ランキングトップ5

アイコス、プルームテック、グローなど様々な加熱式たばこが登場しています。

利用者はもちろん成人の喫煙者です。つまり、もともと紙巻きたばこを利用していたユーザーが、加熱式たばこに切り替えているわけです。では、なぜ紙巻きたばこユーザーは、加熱式たばこに切り替えているのでしょう?

先日、そういった加熱式たばこへの利用動態について世界的に調査・分析された結果が、Health Diplomats社により公開されました。内容が非常に面白いものだったので、その内容をお伝えします。

アイコスさん

監修者

Twitter:@iqossan
2016年より運営している加熱式たばこメディア「アイコスさん」代表。IQOS歴は7年。gloとPloom歴は6年。加熱式たばこデバイス所持数は100台を超える。
JT本社に取材、IQOSストア銀座店のオープン初日に取材など、加熱式たばこをはじめとした「新型たばこ」の情報を、正しくわかりやすく伝えることを心がける。月間最高PV数は400万。

加熱式たばこへの切り替え理由ランキング

分析結果によれば、日本の加熱式たばこユーザーの多くが周囲への影響を軽減するため、つまり、社会的配慮のために紙巻たばこに代わる代替品を使用しているということがわかりました。トップ5をリストアップして見てみましょう

1位:周囲の人を受動喫煙から守るため(55%)

日本の消費者が加熱式たばこを選んだ理由の中で最も多かったのは社会的配慮でした。加熱式たばこは紙巻きたばこと違い、副流煙が出ないのでこういったメリットがありますね。

2位:喫煙(紙巻たばこ)禁止の場所で使用する(35%)

2020年より制定された健康増進法では、受動喫煙防止のために紙巻きたばこの利用が大きく禁止され、加熱式たばこ専用喫煙室などのルールが制定されました。そのため、加熱式たばこを利用しているユーザーが多いそうです。

3位:ニオイ(31%)

加熱式たばこは、火を用いてたばこ葉を燃やすわけではないので煙が出ません。その代わりに出るのはたばこベイパーと呼ばれる水蒸気。なので、ニオイが非常に抑えられたたばこになっています。

4位:健康上の理由(30%)

加熱式たばこは通常の紙巻きたばこと比べて、大幅に健康リスクが低減するという調査結果が各社から出されています。そのため、2020年に米国でもアイコスの販売が許可されました。

5位:リラクゼーション(30%)

昨今、リモートワークなどの普及から家の時間が増えています。そのためのストレス軽減一番の方法は加熱式たばこを吸うことという調査結果も発表されています。

3分の1のユーザーが完全に加熱式たばこに切り替え

この調査では、加熱式たばこまたはオーラルたばこを使用している日本の成人消費者701名への聞き取りを行い、現在の使用状況や従来型たばこに代わる代替品のイメージといったさまざまなテーマについて質問した結果です。この調査は全世界六カ国で調査が行われています。

  • 日本
  • インドネシア
  • メキシコ
  • カナダ
  • イタリア
  • スペイン

日本のユーザーが最も加熱式たばこに切り替えている

調査対象国の中で、日本は加熱式たばこを毎日使用するユーザーの割合が圧倒的に高く、75%の回答者が製品を毎日使用していました。調査対象6カ国の平均は20%です。圧倒的に日本の加熱式たばこ利用率が高いことがわかります。

紙巻きたばこを34%のユーザーが完全利用停止

またこのデータから、現在の加熱式たばこユーザーの約3分の1(34%)が紙巻たばこの使用を止めたことがわかりました。これは、紙巻たばこに代わる加熱式たばこなどの代替品が、日本人喫煙者の出口ランプになる可能性を示します。

日本では加熱式たばこが広く普及していることに加え、消費者のイメージが比較的良好で、77%の回答者がHTPは喫煙より害が少ないと捉えていますが、その大多数(74%)は、「喫煙に伴う害の少なくとも半分は、ニコチンが原因だと思う」と答えています。

調査結果に対する有識者の意見

この調査結果に対して、調査分析を行った機関とは違う、外部の医師などは以下のようにコメントしています。

Kgosi Letlape医師(外部の独立コメンテーター)のコメント

日本の消費者は他の国と比べて加熱式たばこ(HTP)への支持が高いことが、このデータで改めて確認されました。今や、HTPの取り込みは日本のたばこ市場全体の25%に達しています。これらの代替品が喫煙より害の少ない選択肢であることを多くの消費者が認識しているという調査結果は明るい材料です。日本において代替品が喫煙関連疾患の公衆衛生に与える負担軽減に貢献するためには、消費者に正しく認識してもらうしかないからです。

(E-mail: [email protected])

山口直人教授(外部の独立コメンテーター)のコメント

新型コロナウィルス感染症が流行する間、日本人のほぼ100%が公共の場でマスクを着用しています。 私は、喫煙者が煙の出ない代替品への切り替えを決定する際にも、同じ心理が働いているものと思います。彼らは煙で他人に迷惑を掛けたくないのです。今回の調査研究結果は、このような文化的な特性を日本人が持つことを示しています。

E-mail:[email protected]

Chris Russell医師(外部の独立コメンテーター)のコメント

この調査に参加した日本の加熱式たばこユーザーは、6カ国平均と比べ、加熱式たばこがもたらす健康リスクが通常の紙巻たばこの喫煙よりはるかに低いと考える傾向がかなり強いだけでなく、健康上の理由や周囲の人の健康を守るという理由で加熱式たばこを使う傾向が非常に強いようです。健康リスクが低いという認識が、燃焼を伴う紙巻たばこから加熱式たばこへと日本の消費者が一斉に移行し続けているという実態にどのような影響を与えているかを理解することによって、諸外国においても日本と同じように高リスクから低リスクのたばこ製品への切替えを増やすにはどうすればよいかについての重要な知見が得られるでしょう。

E-mail: [email protected]

Health DiplomatsのDelon Human社長のコメント

日本で喫煙率が著しく下がったことを、世界の公衆衛生関係者は過小評価しています。特に、有害性の低い代替品への急速な転換が注目されます。これは目覚ましい社会的変化であり、諸外国はこれに倣うべきです。私たちは、これらの製品カテゴリーに対する消費者の認識の変化を観察し、たばこハーム・リダクションという、より大きな公衆衛生の目標にこれらの製品が及ぼす効果を検証するために、こうした消費者調査を世界規模で今後も引き続き実施し、発表していきます

調査結果のまとめ

  • 調査対象となった6カ国中、1日あたりの加熱式たばこ(HTP)使用本数が最も多かったのは日本でした。
  • 回答者の大多数は、HTPを使用する理由として周囲の人を受動喫煙から守ることを挙げています。
  • 以前紙巻きたばこを吸っていたHTPユーザーの約3分の1は、完全に紙巻たばこの使用を止めています。

結果自体、非常に面白いものですが、面白い意見だなと思ったのが、外部コメンテーターの山口直人教授の意見です。

新型コロナウィルス感染症が流行する間、日本人のほぼ100%が公共の場でマスクを着用しています。 私は、喫煙者が煙の出ない代替品への切り替えを決定する際にも、同じ心理が働いているものと思います。彼らは煙で他人に迷惑を掛けたくないのです。今回の調査研究結果は、このような文化的な特性を日本人が持つことを示しています。

たしかに。

日本人は他国と比べて、マスクの着用率が非常に高いですよね。この真髄は、「自身が感染したくない」という想いももちろんあるものの、「他社への配慮のため」という想いが強いからなのかもしれません。その日本の文化的特性に、加熱式たばこが強くアジャストしたのでしょう。

今後、世界でも加熱式たばこの利用率が高まっていく可能性が高いですが、どのような拡大をしていくのかは注目です。