ルノアールが「紙巻きたばこ」のみ禁止に|「加熱式たばこ」だけ吸える理由

ルノアールで紙巻きたばこが吸えないで、加熱式たばこだけ吸える理由

最近、禁煙席しかないカフェが増えてきました。肩身が狭いなぁという想いを持っている喫煙者の方も多いでしょう。

そんな中で喫煙可能の筆頭カフェだった「ルノアール」が、”「紙巻たばこ」は喫煙禁止”という旨の発表を行いました。詳しく見てみましょう。

アイコスさん

監修者

Twitter:@iqossan
2016年より運営している加熱式たばこメディア「アイコスさん」代表。IQOS歴は7年。gloとPloom歴は6年。加熱式たばこデバイス所持数は100台を超える。
JT本社に取材、IQOSストア銀座店のオープン初日に取材など、加熱式たばこをはじめとした「新型たばこ」の情報を、正しくわかりやすく伝えることを心がける。月間最高PV数は400万。

ルノアールの”禁煙化”発表内容

喫茶室ルノアール 有楽町駅前店
喫茶室ルノアール 有楽町駅前店

「ルノアールが禁煙化!?ちょっと待って!困る!」と思った方も多いかもしれません。そんなあなたも、まずは落ち着いてルノアールが発表した

「2020年4月1日より各店舗での「紙巻たばこ」喫煙禁止のお知らせ」

というプレスリリースを見てみましょう。

株式会社銀座ルノアール(本社:東京都中野区)は、2020年4月に施行される受動喫煙防止法に基づき、2020年4月1日より当社グループ全店舗での紙巻たばこの喫煙を禁止とさせていただきます。

■現時点での取り組み
吸う人、吸わない人が共に快適な空間で飲食しながらくつろいでいただく基本スタンスのもと、一部の全面禁煙店舗を除き、禁煙・喫煙の完全分煙化を進めております。

■2020年4月1日より
従業員の健康に配慮するため、喫煙室での喫煙は「加熱式たばこ」のみ可とし、「紙巻たばこ」の喫煙は禁止とさせていただきます。
また、喫煙室にて、ご飲食をしながらゆっくりとおくつろぎいただくスペースを確保するため、現状、「紙巻たばこ」専用の喫煙ブース設置は予定しておりません。
このたびの方針について、これまでご利用いただいている紙巻たばこ喫煙のお客様のご理解を賜りますようお願い申し上げます。

https://ssl4.eir-parts.net/doc/9853/tdnet/1714968/00.pdf

抜粋すると

  • 2020年4月1日より「紙巻きたばこ」の喫煙はできなくなる
  • 喫煙室では「加熱式たばこ」だけ利用可能になる
  • 「紙巻きたばこ」利用者の人はごめんね

という発表になります。

「加熱式たばこ」とは、アイコス・プルームテック・グローといった、火を使わず電子の力で加熱してタバコを吸う次世代のたばこです。実際に利用者は急増しています。

より詳しく、なぜ「加熱式たばこ」だけ利用可能なのか、見ていきましょう。

なぜ「紙巻たばこ」だけ喫煙禁止で「加熱式たばこ」だけ吸えるのか

普通のタバコは吸えないのに、「加熱式タバコ」だけ吸えるのはおかしい

と思われる方もいるかもしれません。

この取り組みがなぜ行われるのかを知るためには、【受動喫煙防止法】を知る必要があります。

2020年4月に施行される受動喫煙防止法に基づき

とプレスリリース内にもある通り、加熱式タバコだけ吸えるいわゆる「加熱式タバコ専用喫煙室」なんてものが誕生したのは、この法律に基づくものなのです。

詳しくは、以下の記事で徹底的に解説しています(経営者の方などは特に見ておいた方が良いです)。

解説:原則屋内禁煙・全面禁煙・受動喫煙防止法 【解説】健康増進法・受動喫煙対策|加熱式タバコ時代の喫煙「ルール」とは

ここからは今回のルノアールの件にひも付き抜粋して解説していきます。

受動喫煙防止法を知る

受動喫煙防止法とは、厚生労働省が定めた「健康増進法」の中で説かれている、受動喫煙を防止する法律のことで、その中では「2020年4月1日から、飲食店は原則屋内禁煙」という旨が定められており、つまり

原則的に、タバコを吸いながらの飲食は禁止

とされているのです。

ちなみに、この法律を無視した経営を行っていると、店舗側に罰金刑が発生します。それだけ強制力がある「ルール」となっています。

ただし、「原則」と書かれている通り、特定の条件下でのみ飲食をともにタバコを利用することができるのです。

それが、今回ルノアールが発表した「加熱式タバコ」です。

「加熱式たばこ専用喫煙室」という存在

「加熱式たばこ専用喫煙室あり」という標識が書かれた専用室内では、加熱式たばこのみ喫煙することができます。

↓がその表示を表すマークです。

「加熱式タバコ専用喫煙室あり」の標識
「加熱式タバコ専用喫煙室あり」の標識

また、この喫煙専用室では喫煙以外にも飲食をはじめとするサービスなども提供することができるのです。

今回、ルノアールが加熱式たばこだけを利用可能としたのは、加熱式タバコであればコーヒーを始めとした飲食の提供をそのまま行えるからです。

もし、紙巻きたばこを認める場合、飲食をしない喫煙専用室を店内に設置しなくてはならず、それではルノアールが目指すと述べている

吸う人、吸わない人が共に快適な空間で飲食しながらくつろいでいただく基本スタンス

を実現できない。と判断されたのでしょう。

ルノアールのような飲食店が増えていく

断言しますが、これからルノアールのような飲食店が増えていきます。つまり、「加熱式たばこだけ吸える」という店舗が増えていきます。

そもそも、加熱式たばこは紙巻きたばこと比較すると圧倒的に健康懸念物質量が低下しています。これは政府の研究結果でも明らかにされていることです。

健康的なことを考慮すると、禁煙するのが一番ベストな選択肢ですが、少なくとも紙巻きたばこより加熱式たばこの方が圧倒的に健康的といえます。

それを認めた政府が提示したのが、この加熱式たばこ専用喫煙室を盛り込んだ「受動喫煙防止法」なのです。

実際、様々な利害関係があると思いますが、その利害関係含めて一番最適な選択肢として、今回のルノアールのような決定を下す企業は多く出てくると思います。

それを考えると、もし今紙巻きたばこを利用されている方は、早く切り替えや禁煙を考えた方が良いかもしれません。2020年以降、かなり心身ともに辛くなる可能性があるからです。

加熱式たばこや、アイコスやプルームテックってなんなのか、よくわからない。という方は是非以下の記事など参考に知って頂けたらと思います。