プルームテックは、2023年の8月に販売終了が決定していました。
本記事では長年愛され続けたプルームテックについて、ユーザーに寄り添うJTの思いをまとめています。
プルームテックメーカー、JT本社に訪問
日本においては知らぬ人はいない程有名なタバコメーカーであるJT。
キャッチコピーである「ひとのときを、想う。JT」や、様々なCM、一度はご覧になられた方も多いと思います。
ただ、実際どんな会社なのか、どういう想いでプルームテックを販売しているかなど、ご存じない方が多いのではないでしょうか?
今回はプルームテックにフォーカスして、JT本社にて様々なことを聞かせて頂きました。
JT本社に訪問
じゃん。こちらが都内のど真ん中に構えるJT本社。特徴的な建物なので見たことある方もいるかも?
1階には喫煙所はもちろんのこと、なんとプルームテック専用ラウンジというスペースもあり、かなり喫煙者ファーストな建物となっています。
プルームテック専用ラウンジは無料で開放しており、誰でも気軽にプルームテックを使用することが出来ます。椅子や無料Wifi、スマホチャージャーまで完備されており、もてなし力がすごい。
JT会議室では、プルームテック利用可能!?
ということで、JT本社にワクワクしつつも会議室に案内頂きました。
今回紹介下さったのは、JTたばこ事業本部CRM推進部長の藤原さんと、同部課長の羽崎さん。この後インタビューをお伝えしていきますが、社風の良さが感じられるような、実に好印象なお二人でした。
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さて、お二人に根掘り葉掘りプルームテックについて聞いていこう!と思ったその瞬間、驚くべきことを提案頂きました。
「もしPloomTECHをお使いであれば、この会議中吸って頂いて構いませんので、どうぞご利用下さい。」
驚いたのは、JT社内ではプルームテックを会議中に吸って良いというのだ。
「プルームテックだけを吸える店舗は全国でも2800店舗程あります。そういう活動をする中で、”自分たちがまずは体験して、わからないといけない”という想いがある。もちろん、禁煙スペースもあるが、その場にいる人たちに配慮のうえ、会議中も利用可能な場合もあるということになっているんです。」
プルームテックに懸けるその意気込みを、インタビュー出鼻から感じられました。
なぜJTはプルームテックを開発したのか
はじめに、なぜJTはプルームテックを開発するに至ったのかを伺った。
(※以下、緑文字は藤原さん・羽崎さんの発言)
目指すのは「共存できる社会」
私達JTが目指しているのは、『タバコを吸われる方、吸われない方が、共存できる社会』を実現することにあります。
これを実現するために、「マナー啓発活動」や「分煙環境整備」など様々なことを私達は行っており、並行して「研究開発」にも力を注いでいます。これまでも煙が少ない紙巻たばこ(D-SPEC)などの開発を行ってきました。
――ビジョンに向かって様々な取り組みをされているんですね。
はい、その中でも「ニオイをなくす」ということに一番のプライオリティを置いて商品開発をしてきました。それが、プルームテックの始まりとなります。
PloomTECHの製品特徴
――プルームテックはニオイをなくすことを一番に考えて開発されたんですね。
なのでプルームテックが実現したことは、
- 火を使わない
- 煙のにおいがしない
- 灰が出ない
という3つの特徴です。これらをメインとして、吸われない方にとって最大限受容・許容頂ける商品をプルームテックとして実現しています。
――確かに、「ニオイが少ない」という特徴では、PloomTECHが他加熱式タバコより強い気がします。
これは他社様のスタンスと違う点かもしれません。私達は共存できる社会を実現するために、「同じ空間で吸えるタバコがあるとしたら、可能な限りニオイがしないタバコ」ということを目的に作っているので、このような製品となっています。
ニーズとマッチした加熱式タバコ「PloomTECH」
プルームテックが生まれた流れと、そして製品の特徴を改めて教えて頂きました。
実際に開発されたプルームテックは、喫煙者のニーズともマッチしていたそうで、JTが定量調査を行った結果によれば、日本は「周囲配慮」、つまり「周りにタバコの臭いをさせるのが嫌だ」という理由から加熱式タバコ利用している人が約40%と1番多かったそうです。
この結果は欧米とは傾向が異なるそうで、JTが作り上げたい世界を、日本の喫煙者も望んでいたということになりますね。
プルームテックの仕組みと良いところ
PloomTECHは、喫煙者と非喫煙者が共存する社会を目指すため開発され、その後の利用動向でも結果が現れていることが伺えました。
続いて【PloomTECHの仕組みと良いところ】をあらためて伺ってみました。
たばこカプセルこそが肝
PloomTECHの肝は実は「たばこカプセル」にあります。蒸気がカプセルを通る時に、普通に通るだけだと味や香りやニコチンは抽出しづらいんです。
なので一度タバコの葉を粉にして、多孔性の玉にしている。そこに蒸気が通る時に多孔性の玉なので多くの面積が当たり、その際に表面からニコチンやタバコの味・香りを抽出する、という構造になっており、そこに秘密があります。
――おお!それは知りませんでした。たばこカプセルの仕組みに秘密があるんですね。
そうです。なので、バッテリー側は熱して蒸気を出すだけ。ただ、温度管理が非常にしっかりしています。
PloomTECHだけ利用可能な店舗が増えている
PloomTECHの良さは、ニオイの少なさにあることを伺えましたが、それを元にPloomTECHユーザーなら得られる副次的なベネフィットもあるようです。
それは、利用できる店舗が多いことでした。
プルームテック公式ホームページでは、「プルーム・テックを楽しめる店舗」として、禁煙エリアでもPloomTECHを利用できる店舗一覧を見ることが出来ます。
カフェはもちろんのこと、イタリアンやお寿司屋さんなどの和食店舗も存在しています。
お寿司屋さんなどの和食店舗でも、「プルームテックなら利用可能としている店舗が多い」というのが驚きました。
これはまさにここまで見てきたプルームテックの良いところを、店舗側が認めた証拠なのでしょう。
「実際に飲食店におけるたばこを吸われない方からの評価も、約99%の方が「”PloomTECH”はたばこのにおいが気にならなかった」と述べる結果が出ています」
と藤原さんからもありました。
当サイトでもプルームテックの新フレーバー含め様々なレビューを行っていますが、このニオイのなさはどの加熱式タバコよりも評価が高いです。JTが力を入れているからこそ実現できている結果だったんですね。
プルームテックの悪いところとは
ここまで、プルームテックが出来るまで、そして良いところを聞いてきました。ここからはあえて、「プルームテックに良くないところはあるでしょうか?」という質問を投げかけてみました。
プルームテックの捨て方が分かりづらい
皆様悩むところ、1つは「プルームテックの捨て方が分かりづらい」ことだと思います。「燃えないゴミなの?燃えるゴミに捨てていいの?」など迷われますよね。
――迷います!実にわかる!
一般的には、たばこカプセルは燃えるゴミに、カートリッジは燃えないゴミに入れて頂ければ良いのですが、やはり正確な捨て方は、行政に確認頂くのが一番です。
――おお、しっかりと捨て方を教えてくれるのは嬉しいです。
何でもお答えさせて頂きます!
ただ、わかりづらいというのは認識しており、私達はそのために”リサイクルプログラム”というものを始めています。
カートリッジとカプセルを両方を回収し、これらをリサイクルに繋げ、タバコで初めての循環型社会を作ろうとしているんです。
――タバコがリサイクル出来る世界ってすごいですね。
これまでタバコは、”捨てる”だけしか選択肢がありませんでした。しかしプルームテックのリサイクルプログラムを利用すれば、タバコは”使い捨て”ではなくなり、利用したものが”循環していく”、そんな社会を作ることができます。
カプセルはプラスティックに、カートリッジは金属にして、これから何が出来るか検討していく段階です。
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「PloomTECHの捨て方がわからない」というのは、正直、納得してしまいました。加熱式タバコだからこそわかりづらいことってやっぱりあると思うんです。
しかしその問題に対して、JTは独自プログラムを開始しており、現在その啓蒙活動中だそう。
確かに、タバコは利用した後、”捨てる”だけでした。この前提がこのリサイクルプログラムで変わるかもしれません。
詳しいプルームテックの捨て方や、リサイクルプログラム参加方法などは、別途しっかりと記事に立てて説明しようと思います。
プルームテックだからこその不便性
また「たばこカプセルの衛生面が気になる」というユーザーの悩みもありますよね。プルームテックは使用を中断・再開することが可能です。ただ、このカプセルにずっと口を付けないといけない。そうなると衛生面が気になる方は出てきますよね。
――わかる!!たばこカプセルに口を毎回付けるの嫌です!
「タバコ」という形状から逸脱しないフォルムを目指した結果、プルームテックはこのような形状になっています。形状には非常に凝って商品開発を行っているんです。
ただ、この形状だからこそ「転がってしまう」という問題もおきますよね。
――わかるーー!転がるんですよ。写真撮影する時とかコロコロ転がって大変なんです・・!
そうなんですね(笑)
ただ、この2つの問題はアクセサリーで対応が可能になっています。
「たばこカプセルの衛生面」には”マウスピース”、「転がってしまう」には”スタンド”というPloomTECH専用アクセサリーを準備しており、私達はユーザーの皆様に選択できる環境を整えています。
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PloomTECHはその形状に非常にこだわっていることを聞かせて頂きました。たしかに、アイコスやグローとはかなり形状が異なっていますよね。
これは既存のタバコから逸脱しない、スティックタイプの形状を目指した結果生まれたそうです。もちろんそこから出るデメリットも認識し、そこに対してアクセサリーで対処しているとのこと。
そう、このアクセサリー、本当に便利なんです。
当サイトでも「マウスピース」や「スタンド」の利便性は紹介しています。もう、この2つがないとプルームテック使えない!くらいに使っている商品です。
こういった”選択肢”をユーザーに与えようと意識しているのも、これまでの商品展開から理解することができました。
バッテリー残量が分かりづらい
3点目は、「バッテリー残量が分かりづらい」というところかと思います。アイコスやグローはバッテリー残量を吸わなくても確認することができますよね。
――確かに、プルームテックのバッテリー残量がわからないの、外出先でよく思います!吸ったらわかるんですが、吸っても80%なのか20%なのかわからないのもたまに嫌かも。
形状にこだわり、機能を最小限に削った結果PloomTECHはこのサイズとなっているんです。
この形状でこの重さ・形状にしたからこそ、人によってはクリップを付けて持ち歩いたり、様々なユースケースを誕生させることが出来ました。
ただ、こういった懸念点については、今後の新型プルームテックの開発にも活かしていきたいと思っています。
ユーザーに寄り添うJT、今後の展開に期待
ここまで、藤原さん・羽崎さんには様々なことをお伺いさせて頂きました。
最後にはPloomTECHの新型についても少しだけ言及!…頂いたのですが、詳細については一切お答えできないとのことでした。
新型プルームテック、非常に気になりますが、現状公開できるのは以下のことのみだそうです。
- お客様へ多様な選択肢を提供するため、2019年に新たなに2商品を発売予定
- Ploom TECH+:低温加熱型、ユーザビリティとニオイの少なさに加え、吸い応えをお求めのお客様を獲得するため
- Ploom S:高温加熱型、競合からシェアを獲得するため
- 2019年3月までに投入。オンライン・Ploom SHOPでの販売を開始し、19年度中の全国拡販を目指す
今回の取材で伺った、低温加熱型に加えて高温加熱型も登場させる、JT。
根底にあるのは「ユーザー(お客様)に寄り添う気持ち」だと感じました。
2019年より一部施行された「受動喫煙防止条例」でも、加熱式タバコの扱いは特別なものになっています。だからこそ、しっかりとユーザーと社会に向き合ってメーカーには開発してもらいたい。
そんな中JTは、最初に紹介した「ひとのときを、想う。」というキャッチコピーそのままに、どうしたらよりユーザーのためになるのか、どうしたら社会に喜ばれるのか、ということをしっかり考えて商品開発、そして販売を行っていると思いました。
そもそも、PloomTECHの良いところはまだしも悪いところまで赤裸々に語ってくれるというのは、簡単には出来ないことだと思います。(悪いところを伺う時、実は異常に緊張しました)
しかし、それを認めた上で対策(リサイクルプログラムやアクセサリー展開等)をしている点も、ユーザーに寄り添った結果なのでしょう。
「必ず新型PloomTECHを登場させますので、ご期待下さい」
とお伝え頂きましたので、その言葉通り、ユーザーに寄り添った新たなラインナップを期待しましょう!
残念ながらプルームテックは販売終了に
ここまでプルームテックの魅力をたくさんお伝えしてきましたが、残念なが2023年8月7日10時ごろに、長年愛され続けたプルームテックは販売終了が決定しました・・。